コーディネーターの日常

ミラノサローネレポートのレポート

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こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉です。あちこちで『ミラノサローネレポート』が開催されているので、そのレポートを書いてみようと思います。ミラノサローネは巨大イベントかつ派生イベントが増殖しすぎて、その全体像を把握できる人は誰もいない…と言われるほどのお祭りらしく、いろいろなミラノサローネレポートを聞くのが、行ったことのない私の楽しみなのです。

お断り:ここでいうミラノサローネは、Salone del Mobile.MilanoとFuorisaloneを含むミラノデザインウィーク全体のことを指していますが、簡単にミラノサローネと表現しています。

分析型アルフレックスレポート

まずは、アルフレックスさんのレポートのレポート。『ミラノサローネはどこへ向かうのか?消費者と生産者の間にすれ違いが生じているのではないか?』という独自の解釈から始まったレポートは、非常に端正にまとめられていました。印象に残ったのは以下の2つ。

①ソファレイアウトが原点回帰している

大型でスクエアなフォルムのソファが対面式で置かれ、そこにローバックで小ぶりなラウンジチェアが添えられるレイアウトが多かった。ソファのデザインはそのブランドも似たり寄ったり、デザインではなくコーディネート・スタイリングで差別化する流れが加速している

言葉だとわかりにくいので、図にするとこんな感じでした。ラフな図で失礼します。センターテーブルでリズムをつけるのは変わらずで、ラウンジチェアがハイバックやウイングバックのものから、ローバックで小ぶりなものに変化しているそうです。

②eコマースをしているメーカーは消費者とすれ違っていない

デンマークのHAY、GUBIの2社は家具やインテリア雑貨をオンライで販売しているミラノサローネでは珍しいメーカー。その2社の展示は、暮らしやくつろぎの時間といった、家具を買うことで得られる暮らしに焦点が当てられているという点で、最も消費者目線を持っているように感じた

これはとても考えさせられるテーマです。今はまだ家具をネットで買う人は少ないですが、洋服も靴もネットで買うのですから、家具ももうそこまで来ているはず。ネットで買うこと以上に、消費者がメーカーから直接買う動きが加速すると、ビジネスモデルも大きく変化しそうです。

感性型インテリアコーディネーターレポート

続いて、インテリアコーディネーターの伊藤直子先生によるミラノサローネレポートのレポートです。伊藤先生は私の恩師でもあり、このレポートも母校の町田ひろ子アカデミーで開催されました。伊藤先生のレポートでは、私が個人的に面白いと思ったコメントをピックアップしてみました。

ミノッティは男性がスーツを着て座るようなイメージの家具ブランド。そのミノッティが少年のようなデザインをする佐藤オオキをデザイナーとして迎えたのが面白い

プロメモリアの観音開きのキャビネットには、引戸にはないわくわく感の演出が込められている。ラジュグアリー家具は機能だけでなく体験を売っている

ヨーロッパでは、家電は車と同じ価値観で選択されている。ガゲナウは車に例えるとポルシェ。ミラノサローネでは展示ブースにアストンマーチンを置くことで「ガゲナウのある暮らし」のイメージを明確に伝えている

無骨な五徳を見ると、分厚いステーキがジュワッと焼けている様子をイメージしてしまう

最後の一文、面白さが伝わらなかったらごめんなさい。インテリアに限らず、コーディネートやスタイリングをする上で最も重要なのは「○○なイメージ」を具体的な形にすることだと思っています。(かつ、そのイメージがありきたりでなく、その人にぴったりオリジナルのものが求められている)そのイメージをざっくり掴むスキルを、センスと呼ぶ人もいると思います。伊藤先生のコーディネートの素晴らしさは、こういうイメージ力にあるのだなぁ、と個人的に感動したのが最後の一文なのでした。

 

高級家具ブランドとデザイナーの名前を羅列するだけのレポートにはうんざりしていたので(ちょっとかっこつけて話をするための知識を得るには便利なのですが〜)、今回ご紹介した2つはとても面白くて新たな気づきを得られた素晴らしいレポートでした。でも、百聞は一見にしかず、そろそろ自分で行って見なきゃ!と、もしかして去年も同じことを言っていたかも〜?

写真のない地味なエントリーを、最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。
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