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ちょこっとスタイル研究:和モダン

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こんにちは。今日はちょこっとスタイル研究の第一弾として、和モダンについて考えます。和モダン、増えていますね!昨年オープンした『星のや東京』は上質で新しい和モダンを追求していますし、先日オープンした『GINZA SIX』も内装の雰囲気はどことなく和を感じるものでした。数年前から外国人観光客の増加と、2020年の東京オリンピックに向けた動き、さらに世界的なナショナリズムの高まりなども影響してなのか、和モダンな建物や装飾が増えているように感じます。日本人の美意識に寄り添う普遍性があり、海外でもZENスタイルとして注目される和モダンについて調べてみました。(ちょこっとスタイル研究とは?についてはこちらのブロクをご参照ください。)

ちょこっとスタイル研究:和モダン

星のや東京のエントランス。旅館スタイルで靴を脱いで上がります http://hoshinoyatokyo.com/

ちょこっとスタイル研究:和モダン

私が大注目の谷口吉生先生が建築デザイン https://ginza6.tokyo/

進化し続ける折衷スタイル

和モダンを語るには、もしかして和の長〜い歴史を紐解く必要がある…?と、尻込みする私。寝殿造りから始めて、書院造り、数寄屋造と茶室、民家…とこれじゃ論文になってしまうので、まずは和モダンの定義を調べてみました。以下、タブルームからの引用です。よくまとまっていますね〜。

日本人が古来より慣れ親しんできた伝統的な「和」のデザインと、現代風のモダンなデザインを融合させたもの。

現代の生活様式の中に、家の外装や内装に瓦や白壁、無垢材、珪藻土などを用い、室内の家具には畳に座る文化を意識して、背が低く、直線的で木目のある家具や低めのテーブルやソファー、座布団などを取り入れ、絨毯やカーテンの代わりに畳や障子、襖などを用いる。日用品や小物、装飾品においても、現代風のデザインの中に日本の伝統的な素材や和柄のパターンなどを積極的に取り入れ、古来より自然と融合してきた和の雰囲気が出るよう、色には自然を連想させるようなアースカラーなどの自然色や天然色などを使ったデザインが多い。

出典元:タブルーム https://tabroom.jp

私の中のこれぞ和モダンな建築といえば、まずは前川國男さんの自邸『前川國男邸』です。江戸東京たてもの園内に保存されています。必見!どうですか、このかっこよさ、しびれます。パリのコルビュジエに師事した前川國男さんの建築は木造モダニズム建築と呼ばれているそうですね。

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このリビングに住みたい http://pin.it/AwKeTNX

続いて思いつくのは今をときめく隈研吾先生です。軒の深さや格子のデザインなど、和の要素を取り入れたデザインが特徴です。木材へのこだわりも強く、なるべくその土地で取れたものを使っているようです。私が気に入っているのは根津美術館。入り口までのアプローチが最高です。

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真夏でも涼しげな清らかな空間 https://matcha-jp.com/jp/

もう一人、住宅設計からご紹介したいのが伊礼智さんです。シンプルな家づくりで有名な伊礼さんは、窓周りには障子や格子をよく使っています。ご本人は和モダンという言葉を使っていませんが、定番のルイスポールセンとの組み合わせ、大好きです。

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障子とトルボー、Yチェアの組み合わせ https://www.houzz.jp/photos/74822112

障子越しの柔らかな光がポイント

前述の定義の中に、素材については日本人が慣れ親しんだ木や和紙、畳、珪藻土などを用いることが挙げられています。これらの自然素材は、光を柔らかく反射・透過するので空間に柔らかさが出ます。直線的でシンプルなモダンな空間を柔かい光で満たすことで、和モダンな印象を作ることができます。

中でも必須アイテムなのが障子(もしくは格子)です。障子を通して室内に入ってくる柔らかい光、格子のデザインが和モダンを完成させます。普通に障子を入れただけだと線が多くなってしまうので、収まりを十分に検討する必要はあります。

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床は畳でなくても明るくするとすっきりと爽やかなでモダンな印象に http://hoshinoyatokyo.com/

フロアランプで完成

和モダンの空間には直線的な家具が合います。その中に、アクセントとして曲線をバランスよく入れていくと、さらに洗練された印象になります。便利なのが照明。曲線のフロアランプで低めの明かりを作ることで和モダンを完成させましょう。通常のフロアランプはソファに座った手元を照らしたり、壁を照らすために高さがあります。しかし床座である和の暮らしでは、照明はもっと低い位置にあるもの。日本のデザイナーのフロアランプはどれも床置きタイプがあることにお気づきでしょうか?

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建築家 伊東豊雄さんのデザインしたMAYUHANA https://blogs.yahoo.co.jp/nicnacs_otto2/

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イサムノグチのAKARIにも行灯タイプが http://imption.shop-pro.jp/

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ファッションデザイナーの三宅一生さんも照明をデザイン http://in-ei-isseymiyake.com/

第一回目の『ちょこっとスタイル研究』は和モダンについて調べてみました。最初に和モダンを選んだ理由は、単に私が好きなスタイルだからなのですが、感覚的にはわかっている気がすることを言語化するのは難しかったです。全体の流れのなかではさらっと書いた線を少なくするという点も、かなり重要だと感じました。ぼんやりした理解だった部分もはっきりとし、とても面白かったです。みなさまも、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。
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