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ミラノサローネの華、二人の女性デザイナー 2/2

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ミラノサローネの華、二人の女性デザイナー 2/2

GERVASONI × dominique kieffer  出典:www.manas.co.jp

こんばんは。今日は予定通り、パオラ・ナボーネさんを紹介します。日本での知名度は(ウルキオラさんに比べたら)低い印象ですが、今年はあちこちで彼女の名前を耳にします。今後、ますます活躍するであろう大注目デザイナーです。

 

最先端のミックススタイルで人気急上昇

ミラノサローネの華、二人の女性デザイナー 2/2パオラ・ナボーネ(Paola Navone)は1950年イタリア・トリノ生まれの65歳。トリノ工科大学で建築を学び、イタリアの最も革新的なデザインチームに属していました。建 築家・デザイナー・アートディレクター・インテリアデザイナーなど多くの肩書きを持ち、ドリアデやコンラン卿がつくったハビタなどから作品を発表しています。

1998年からは、ジェルバゾーニのアートディレクターに就任し、コレクションの大部分もナボーネさんがデザインしています。2014年にはアメリカのインテリア誌『Interior Design Magazine』で殿堂入りを果たし、世界で高く評価されているデザイナーです。

ナボーネさんは21年もの間、アフリカ・アジアで過ごしています。長く住んだのは香港で、その経験が彼女のデザインに大きな影響を与えているようです。ヨーロッパとアジア・アフリカのテイストをミックスしたエクレクティックなスタイルは、サローネでも大注目です。

ミラノサローネの華、二人の女性デザイナー 2/2

Ghost 16 出典:gervasoni.jp

パオラ・ナボーネと言えば、ジェルバゾーニ。ジェルバゾーニと言えば、ゴースト。と連想する方も多いと思います。正直に言いますと、ざっくりとした布がヨレっとかかっていて、奥行きがかなり深いためクッションが大量に必要なこのソファ、わたしは初めて見たとき「?」と思いました。が、ナボーネさんが別にディレクションしているファブリックブランド ドミニク・キーファーとのコラボレーションソファ(このページのトップ画像。ただしゴーストではなくアップ)を見て、一気にファンになってしまいました。

あえてざっくりさせたカバーは、従来の張り替えが面倒な人に向けた“機能としての”カバーリングではなく、季節や気分によってインテリアを変えて楽しむためのものであり、部屋の中心に大きなキャンパスがある感覚。そこにどんな絵を描くかは、自分次第なのです。ジェルバゾーニのショールームでは、いろいろなカバーリングのゴーストが見られます。

GERVASONI TOKYO
東京都港区南青山6-8-8
Tel. 03-6418-5764
11:00~19:30 水曜日休み

 

身近なところにもポップなパオラが

ミラノサローネの華、二人の女性デザイナー 2/2

[左] ADDICTION WALLPAPER BY PAOLA NAVONE 出典:walpa.jp
[右] paola navone FISH 出典:[上] yanmar05.blog.fc2.com [下] maskingtapedatabase.blog49.fc2.com

調べてみると、ナボーネさんデザインの商品が日本で販売されていました。左は、日本の壁紙文化を塗り替えたWALPAで取り扱っている壁紙。ナボーネさんを象徴するブルーに巨大な目が付いていて…目が血走っています!手前に置かれたゴーストと、赤いクッションが効果的ですね。

右はマスキングテープの概念を覆し、インテリアデコレーションとして使える商品も数多く開発しているmtの限定商品。ポップな金魚も彼女のアイコン的存在です。ナボーネさんを知らなくても、思わず手に取ってしまうチャーミングなマスキングテープですが、残念ながらこちら販売終了のようです。

やっぱりインプットが重要

今回、パオラ・ナボーネさんの事を調べていて一番印象的だったのは、ヨーロッパ以外で21年間も暮らしていた事です。そこでの経験が、独特の色彩感覚やモチーフの独自性を生み出していたんだ、と納得。その人にしかできない表現、オリジナリティ、個性というものは、芸術家やデザイナーにとってとても大切な要素だと思います。その個性(=アウトプット)を生み出しているのは、他の人とは違う体験(=インプット)であり、まずはインプットが重要!という事を再認識しました。

わたしも、これからもどんどん出掛けてたくさんの人と話して、実際に触れて感じて、コーディネーションの幅も人間の器も広げていきたいと思います。本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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