旅先のインテリア

建築を訪ねる 鈴木大拙館

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こんにちは。先日、金沢に旅行に行ってきました。あいにくの雨で寒かったのですが、桜は満開、何を食べても美味しくて、大満足の旅でした。旅の楽しみの一つは、有名な建築を訪ねること。今回は、21世紀美術館と鈴木大拙館に足を運びました。どちらも素晴らしい建築で、おすすめしたいのですが、ブログではマイナーな方だと思われる鈴木大拙館と、それを設計した谷口吉生氏をご紹介します。恥ずかしながら私、お二人のことを知らなかったので、同じようにまだご存じない方にもぜひ知っていただきたい思いで書いていきます。

 

すずきたいせつ かん、と読みます

鈴木大拙館とは、金沢出身の仏教哲学者 鈴木大拙氏の記念館です。場所は兼六園や21世紀美術館のすぐ近くなので、金沢観光のついでに気軽に立ち寄れる立地になっています。鈴木氏は、禅についての英語の著作をたくさん発表しており、日本の禅文化を海外に広めた偉大な方です。禅=ZENといえば、スティーブ・ジョブズにも影響を与えたことは有名ですね。iPhoneが生まれるきっかけのきっかけを作った人、と言えるかもしれません。

そしてこの建物を設計した谷口吉生氏は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)も設計している建築家です。谷口氏はあまりメディアに出ない、コンペにも参加しないというスタイルを貫いているので知名度は低いのですが、建築好きにはとても人気があり、一番好きだという人も少なくありません。

水鏡の庭から思索空間を見る

写真は公式サイトより www.kanazawa-museum.jp

 

禅を体感する空間

館内の展示スペースはそれほど大きくありません。ここは、建物全体で禅の世界を感じる体感型スペースなのです。

展示空間への長いアプローチは照明が落とされて、気持ちを静かに整えやすくなっています。途中、窓からお庭を眺められるので閉塞感もなく、ゆったりと静けさを味わいながら進んでいくことができます。この先には展示空間には、鈴木氏直筆の書が、軸装されてかけられていました。残念ながら撮影禁止。

写真:KISHI Satoru

その隣には学習空間があります。ここが一番素敵だった!写真NGだったので、他の方が撮影したものをお借りしました。床の間を究極までシンプルにしたような空間に置床、掛け軸、お花。奥の壁は和紙を貼り合わせており、鉄骨そのまま(?)の床柱と、全体の壁のコンクリートの仕上げとのコントラストが計算され尽くした美しさでした。

学習空間から出て水鏡の庭(池)を眺めながら外部回廊を進むと、思索空間にたどり着きます。写真はその内部。部屋には小さなトップライトと外とつながる出入り口が四方にあり、薄暗い建物の中から外を眺めた感じは、お寺や、昔ながらの日本家屋の雰囲気にそっくりです。おそらくは、瞑想のための空間なのでしょう。雨が降っていたこともあり、とても静かな気持ちになれる空間でした。

 

Less is more.

ここからは私の勝手な感想ですが、この建物はミース・ファン・デル・ローエの作品、バルセロナ・パビリオンと共通点が多いな、と感じました。と言っても、ミースの方は写真で見ているだけなので、かなり限られた情報ではあります。例えばこの写真。水平・垂直、水辺との関係、壁とベンチとその後ろの樹木、うーん、似てる。

http://architecture-tour.com/

ミースといえば、近代建築の三大巨匠のひとりで、たくさんの格言を残しています。中でも有名なのが『Less is more.』そして私の大好きな『神は細部に宿る』。デザインが似ている云々よりも、ミースが大切にしていたこの2つの精神と同じものを、鈴木大拙館のあらゆるところから感じることができます。物事を極めると、同じ境地(=ZEN)にたどり着くのかもしれません。


 
今回の旅行で、鈴木大拙館は最後に時間があったら行こう、程度に考えていました。事前に見た写真などで、なんとなくわかったつもりになっていたのですが、実際の空間から感じたものはその何倍もの感動でした。写真で見るのと、実際は違う。いつも意識していたつもりでも、まだまだ足りなかったことを痛感しました。これからも、どんどん足を運んで自分の五感で感じ、その体験を次につなげて行こうと思います。

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