東京の個人向けインテリアコーディネーター、Class S interior designの住吉さやかです。アートライフスタイリストとしても活動しているわたしは、年に２回『アートライフスタイリスト２級特別セミナー』の講師をしています。１月は３週連続開催で、２回はオンラインで座学、最終回はみんなで表参道・青山のギャラリーを回るツアーを実施しています。
受講生の声をご紹介します
受講生の皆さんが書いてくれたアンケートをご紹介します。講座では、アートの「探し方」「選び方」「買い方」「飾り方」「管理の仕方」「鑑賞の仕方」「活用事例」について幅広く話をしているので、皆さん刺さるところが違うもの興味深いです。また、テキストはいくつかのセクションに分かれているのですが、そのすべてを学ぶことでパズルのピースがカチッとはまって、大きな疑問が解消するようになっています。
- アートマーケットって楽しいな、と思いました。講座の進み方もテキストも分かりやすく、落ちこぼれずに勉強できそうです。
- 楽しくわかりやすく、先生のみならず受講されている皆さんの経験や体験されたことまで聞けたのは面白かったです。とくに知らない作家さんや美術館などオススメを教えてもらえたのは良かったです。
- テキストも分かりやすいのですが、住吉さんのお話がとても分かりやすく、こういったところを覚えておいて欲しいとか、テキストにもメリハリつけて話してくださるので、とても楽しく聞くことが出来ました。
- 漠然としていたアートっていう概念が、言葉やテキストになってまとまって教えてもらえたことで、全体的に見えて来たように思います。
- 元々自分でもいつか買いたいなぁと思っていましたが、なかなか一歩を踏み出すことができませんでしたが、これから積極的にギャラリーなどを回りたいと思います。
- 部屋にアートを飾るだけではなく、もっと大きな世界、アート市場全体（アートの動き）に興味が湧きました。
アンケートのコメント以外で、個人的に嬉しかったコメントも紹介します ^ ^
- 現代アートについての解説で「アートは見て楽しむものから、考えて楽しむものへ」というメッセージが心に残りました。
- アートの価格ってどうやって決めてるの？という疑問がテキストを終えてなんとなくわかりました。
アートは正解がない世界なので、特にみんなが「難しい」と感じている部分をどう伝えるか、毎回試行錯誤しています。なので、伝えたいことがしっかり伝わってることは、講師冥利につきます！
講座生同士の情報交換が素晴らしい
今回は現役インテリアコーディネーターさんにも参加してもらいました。その中の一人に教えてもらった原田マハさんの『美しき愚か者たちのタブロー』を早速読みました（読書大好き！）すごくいい！原田マハさんはご自身がキュレーターであり小説家、というアート界のスター。登場人物はみんな魅力的、ストーリーはハラハラ、そしてアートについての金言が散りばめられていて、小説なのに何箇所もマーカーを引きながら読みました。（Kindleはマーカーを引いたところだけ読み返せる機能があって、すごく便利）
美しき愚かものたちのタブロー (文春文庫) Kindle版
アートに対する最大の誤解
先述の小説は、日本の大アートコレクター松方幸次郎さんに関する話です。タブローとは、フランス語で「絵画」の意味。アートに魅せられた人たちの数奇な運命をたどれます。原田マハさんほんとに好き・・・♡ ただ、アート狂な人の話を真に受けて（？）アートを誤解する人が出てきてしまうかも？という思いもあるので、今日はその話も書きたいと思います。
以前もブログに書きましたが、ある作品を見た瞬間「時が止まった」「すべての音がなくなった」「その絵の前に何時間いたことだろう・・・」みたいな表現（今適当に書いたもので、どこかからの引用ではありません）は、ドラマティックだし本当にそういう事が起こりえると思うのですが、そうならないからと言って「アートがわからない」と結論付けてほしくないんです。フツーに「あ、これきれい！」「この絵、面白いね」で十分だと思うんです。「わたしはこの作品、好きじゃないなー」もアリなんです！どう感じても自由。自分が感じ方は誰にも強制されないし、誰かに押し付ける必要もない。
実際わたしは、３０代の頃ルーブル美術館でかの有名な『モナリサ』を見たんですが・・・全く１ミリも心が動きませんでした。２年前くらいにゴッホ展に行った時もスーンとしながら会場を回り「これは好きかも！」と思ってクレジットを見たらゴッホじゃなくゴーギャンだった！（わたしは昔からゴーギャン大好きです）みたいな感じで、世界中が認める作品に何も感じなくても、アート好きを表明して生きています ^ ^
有名アートを見て感動出来なくても大丈夫！もっと気軽にアートを楽しんで欲しいです
もうひとつの誤解・・・
付け加えると、アートに正解はないですが、覚えておいて欲しいこと、知ってて損はないこと（もし仕事でアートに関わるなら、知らないとトラブルになること）はあります。先ほどと逆のように感じるかも知れませんが・・・何でも「感性でなんとかなるんじゃ？」という発想はアートに対するもう一つの誤解です。
先日カフェで、美大生ではないデザイン科の学生が、「アートで食べていきたい。作品が売れるようになるにはどうすればいいかな？」というような話を雑談として話していました。アートライフスタイリスト２級セミナーを受けた人ならアートマーケットの仕組みが理解出来ているので、この学生が何をすべきかいくつかの選択肢を提示することができると思います。
また、アートを鑑賞する時もある程度の知識があれば、単なる「好き」「嫌い」以外の視点で楽しむことができ、見るべきポイントが分かると「楽しい！」と感じられるようになるはずです。先程の『モナリザ』の例で言えば、作品を見て感動は無かったですが「これがスフマート技法か〜」「遠近感の出し方、印刷物で見るよりよく分かるな」と、本物を近くで観察することで、気づくことはありました。その時も今も「見てよかった！」と思っています。
講座期間前から期間中はインプット量が増え、普段以上にアートについて考える時間が長くなるので、伝えたいことが溢れすぎて、いつもセミナー時間がオーバーしてしまう事が目下の悩みです・・・でも、受講生のみなさんが真剣な眼差しで聞いてくれて、たくさんの質問をしてくれたり、経験をシェアしてくれるおかげで、毎回わたしも楽しみながら話ができています。次回は６月か７月か・・・日程調整中ですので、興味のある方は公式LINEにご登録ください。開催日が決まった時にお知らせします ^ ^
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
