親子二人暮らしのマンションを、床や水回りも含めてフルリフォームしました。ご実家のリフォーム経験から「家具を捨てることも大変」と話すクライアントさん。これまではワンちゃんがいて欲しい家具を買うのをためらっていたそうですが、この機会に、落ち着く空間と機能的な水回りを希望していました。
コンセプトは『Long Time / Performance』時間をかけて吟味した、本当に気に入った一生ものの家具や照明を、手をかけて育てながら使い、これからの豊かな暮らしを彩る道具にしてほしい。そんな思いでプランしました。質感にこだわったシンプルな内装、機能にもこだわった照明演出、既存の家具に合わせて新しい家具を選び、隠す収納をたっぷり設けてスッキリした空間に、お気に入りのあーととかわいいシェードで色を添えました。
内装・照明計画
床はメイプル材です。マンション規約に基づきL45の突板フローリングを選びました。全体的にスッキリした空間を希望されていたので、全体の壁紙は優しいホワイト、照明はダウンライトにしています。少し濃い色のクロスを貼った壁には、グレアレスのダウンライトを壁に当てて光で演出しています。ダウンライトは全てRa96で料理や肌がきれいに見える高彩色タイプ。お友達を呼んでのワイン会、お部屋を暗くしてリラックス、シャキッと目覚めたい朝などシーンに合わせて光の色や明るさが変えられるようにすることで、いつでも快適に過ごしていただけます。
リビング
少し変形のリビング・ダイニングは家具の配置を変え、リビングのソファでくつろぎながら食事ができるようにしました。持っているソファに高さを合わせて特注したテーブルは、出入りがしやすいサイズと脚の形状に。クライアントさんがショールームで一目惚れしたチェアは、ゆったり座って読書をするのにピッタリです。お子さんが気に入って買ったというブルーのギャッベは以前はそこだけブルーで少し浮いていました。ブルー地にお花模様がかわいいシアーカーテンをシェードにしてタペストリーのように見立て、そこから色を抽出して、オリジナルのクッションも制作しました。シンプルながらもパイピングがアクセントになっています。HAYASHI MARIKOさんのアートとも色がピッタリでした。
ダイニング
ダイニングは二人暮らしには大きめのテーブルを置いていたものの、それほど使っていなかったので、こぶりな丸テーブルを空間の真ん中に置き、louis poulsenのペンダントライトを下げました。コードカットすることでスッキリ美しく納まり、足りない明かりはダウンライトで補っています。椅子はクライアントさんがずっと憧れていたYチェア。ビーチ材のオイル仕上げをチョイスし、国内で脚をカットして納品しました。これまでオープンラックと家電収納が置かれていたました。壁面収納を希望されていたので、キッチンメーカーのカップボードをセレクトしました。造作家具で制作するよりもコストが抑えられました。
キッチン・洗面室・トイレ
水回りのリフォームに関しては、ご依頼時にはすでにご自身で何度もショールームを訪問し、設備のほとんどが決まっていたので、内装と、内装に合わせた色選びを行いました。キッチンはクローズドタイプなので、シンプルで圧迫感がないように、またリビング側から見た時に違和感が無いようにオフホワイト系で統一し、背面のカップボードはセミオーダーの商品にすることで、機能的にもコスト的にも満足していただきました。「トイレは壁紙で遊びたい!」とのご要望を受け、トレンドで、かつフランスの伝統柄のトワルドジュイをアクセントに提案。提案時は少し驚いていましたが、とても気に入っていただきました!点検口をミラーで隠すプランも大成功でした。
納品を終えて
申し込みから完成まで、半年と少しのプロジェクトでした。住みながらのリフォームで、会社選びや仮住まいなどクラアントさんにとって大変な半年だったと思いますが、いつも笑顔で迎えていただき、ありがとうございます。表参道で一緒にショールームを4件回って、一緒にお茶も出来たのがとても楽しかったです。Yチェア、無垢材のテーブル、PH2/3、そしてアート。じっくり選び抜いたお気に入りのものに囲まれた生活を、ぜひ楽しんでください!