東京の個人向けインテリアコーディネーター | Class S interior design

テーブルウェアフェスティバル考察


こんにちは。すっかり不定期更新ブログになってしまいました。今日は、先日行ったテーブルウェアフェスティバルの様子をレポートします。実は初めて行くテーブルウェアフェルティバル、かつテーブルコーディネートについては全くの勉強不足なので、専門的なことはわかりません。そこで今回は、素人目線で「なんだか素敵」と思った『なんだか』の部分を自分なりに分析を試みることにします。

グレイッシュ旋風はテーブルの上にも

インテリアのトレンドで数年前から続いているグレイッシュカラーをベースにしたコーディネートが、テーブルの上でもかなり目立ちました。特に北欧メーカーのブースでは、カラフルな原色をまとめる色にグレーを使っていて、高級感のあるシックな仕上がりがとても上手でした。

特に上手だな〜と思ったのが、このGUSTAFSBERG(グスタフスベリ)です。ナチュラルなグリーンにグレーと黒の大きなドットを合わせて、シックすぎずナチュラルすぎずのバランスが秀逸です。

ペンティック(Pentik)はグレーのグラデーションをベースにグレイッシュで落ち着いたピンクを合わせていました。どこかしら和を感じるスタイリングは、成熟した大人の上品さを感じます。シンプルだからこそ、細部への気配りが大切で、器とテーブルクロス、キャンドルまでしっかりピンクのトーンを合わせているところが素晴らしい!ワイングラスを透明でなくグレーにしているのも重要です。

自然のアイテムを組み合わせる

もう一つ、インテリアのトレンドとシンクロしている点を見つけました。『Nature』です。これは、いわゆるナチュラルではなく、大自然の荒々しい素材感を、そのまま室内に持ち込む大胆なものです。

こちらはギリシャのGlass Studio(グラススタジオ)のブースです。木の切り株をプレートにして、そこにゴールドを組み合わせていて、すごくリッチな印象なんです。切り株なんて使ったら、山小屋風になりかねないですが、グレーのクロスとゴールドの塩梅がとても上手でした。すっごく好きなスタイリングです。

フランスのGIEN(ジアン)もコンセプトは明確です。テーブル中央の切り株のインパクト、多肉植物の自然なフォルム、スレート石の重厚さと自然の要素を多用しています。クラシカルな繊細な模様のシリーズでもトレンドを上手に取り入れることでガラッと印象を変えられる好例です。

世界に発信していきたい日本の美意識

今までご紹介したスタイリングは全て、海外メーカーのものでした。日本のメーカーで私が気になったのは2社。ひとつは日本における最高級洋食器メーカーの大倉陶園、もうひとつはハンドメイドでスタイリッシュなガラス食器を作っているsghrスガハラです。特に大倉陶園は日本ならではの美意識を軸にしたスタイリングが印象的でした。和食器だけでなく、洋食器でも日本らしい美しさを表現できるのは嬉しいことです。

大倉陶園は大きなブースでたくさんのスタイリングを見せていました。こちらは和の印象の強いもの。背景のアクセントやお花の活け方もアシンメトリーで絶妙なバランスです。しかし、よく見るとテーブルクロスはグレーを使って、世界的なトレンドも意識しているところがさすが。

こちらも大倉陶園。昨年の伊勢志摩サミットでのテーブルコーディネートを再現しています。このお皿のなんとも言えない赤が素晴らしい!鳥居の朱色を連想させつつも、もっとトーンを落としてテーブルクロスの格調高いネイビーに合わせています。中央に活けられた赤いお花とのシンクロも完璧で、うなってしまいました。(ただし写真を見る限りテーブルにお花はありません。しかも緑色のジオラマのようなものが置かれています…うーん)

こちらがsghr。すでに紹介したグレイッシュトーン、ナチュラルアイテムという世界のトレンドをもれなく取り込んでいます。少し惜しいのは、テーブル中央のお花がシンメトリーなところでしょうか?動きが止まって野暮ったく見えてしまっています。製品の繊細なカーブや色合いは素晴らしいので、これからもますます頑張ってほしい日本メーカーです。

MY BEST STYLING

ここまでテーブルコーディネートとはあまり関係ない視点で、素敵な理由を考察してみました。何かしら日々の暮らしの参考にしていただければ幸いです。それにしても、食事を楽しむために、テーブルや椅子などの家具、テーマに合わせたリネンや食器、カトラリーなどのテーブルウェアたち、季節の花、そしてもちろん美味しい料理…と、全てに気を配る必要があるんですね…、大仕事です。特別な日は、気合いを入れて楽しんでみたいものです。

そして、日々の暮らしを楽しむための頑張りすぎないテーブルコーディネートも重要なのではないでしょうか。最後にご紹介するのは、特別なことがなくても、お気に入りの場所と少しの工夫でこんなにも気持ちのいい暮らしができる、というメッセージが伝わる個人の方のコーディネートです。

洗いざらしのランチョンマット、その辺で摘んできたお花、食器もカトラリーも最小限ですが、暮らしの中にこんな時間が持てたら、ものすごく幸せ!そう思えたこちらのスタイリングが、MY BESTでした。テーブルウェアフェスティバルは2/6まで。ご興味ある方はこの機会にぜひ行ってみてください。

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Profile

住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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