東京の個人向けインテリアコーディネーター | Class S interior design

くまのもの展 写真と感想

こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉です。久々のブログ更新になってしまいました。いろいろインプットして溜め込んでいるのでアウトプットしていきます。まずは東京ステーションギャラリーで開催中の『くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質』展について。

くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201803_kengo.html

東京ステーションギャラリー
2018 年3月3日(土)- 5月6日(日)
OPEN:10:00 - 18:00 金曜日は20:00まで
CLOSE:4月30日をのぞく月曜日
TICKET:一般1,100円 高校・大学生900円 中学生以下無料

言わずと知れた日本を代表する建築家 隈研吾さんの“もの”との向き合い方に焦点を当てた展示です。隈さんといえば『木』を一番に連想する人も多いと思いますが、それ以外にもいろいろな物質と向きあいながら、その場所で作るからこそ生まれる建築、そしてその場所に自然と溶け込む建築を追求しているプロセスを垣間見る事ができます。

平日の朝一番に行ったにもかかわらず混雑していました。まずは『竹』から。竹は身近な素材で加工しやすいが、乾燥すると割れやすい、変色しやすいなど建築に使うには難しい素材です
隈さんはその難しい竹をなんとか自分のものにしようと試行錯誤していました。この竹のスクリーンは銀山温泉 旅館藤屋で使われているもの
竹の節を自然な形で美しく整える職人の技。天然の素材はコントロールが難しいからこそ、人工物にはない優しさが生まれます
これは何だったかな…武田醤油というキャプションが見えます。隈さんにしてはランダムな組み方が面白い
続いて『木』の解説。木を『編む』という表現が隈さんの建築にはぴったりです。ー 編み物のすばらしさは, ジョイントがゆるいことで, だから服は, 身体の激しい動きにも追随できる. 木を編む時も, 僕らは同じようにゆるいジョイントをめざしている. ー
木を編むといえばまずはスターバックス太宰府天満宮参道店。模型で見てもこのワシャワシャ感!
これが原寸大モック。木と木のジョイントにビスを使っている事がわかります
スタバの木組を縦にしたのがこちらのサニーヒルズ南青山店
手ブレしていてごめんなさい。こちらがサニーヒルズの木組。何とビスがなくなっています!地獄組という日本古来の方法を応用しています。隈さん、してやったり!
屋上がこんな風になっていたとは知りませんでした。外観からは想像できないほっこりしたスペースがあったんですね。今度上ってみよう
こちらも有名な浅草文化観光センター。隈さんは木だけで建物を作る原理主義者ではありません。他の素材と上手に組み合わせながら、人に一番近い部分は木の優しさ、柔らかさを感じられるよう、計算されています
実験的な建築のGC プロソミュージアム・リサーチセンター。従来は別々のものである建物と展示スペースと家具を全部兼ねられるグリッドシステム。ー 単一のユニットを拡張し, 世界という大きさに到達するというアイデアを, 僕らは細胞的世界観と呼ぶ. ー 現代アーティストの名和晃平さんのCellにも通じる世界観
今の隈さんの原点として、先日の『美の巨人たち』でも紹介されていた高知県梼原町の『雲の上のギャラリー』四国出身者としては、ぜひとも行ってみたい
一目見て連想したのは肘木でしたが、このアンバランスさは映画『サマーウォーズ』に出てくるOZの世界の中のお城のデザインも彷彿とさせます。建築とアートとカルチャー、つながってますね
隈さんといえば今一番の注目プロジェクトはこれ!新国立競技場です。故ザハデザインが却下になった頃はドタバタしていましたが、個人的には隈さんデザインになって良かったと思っています
1年以上前に聞いた隈さんの講演会で、国立競技場の屋根の木材に日本全国47都道府県の木を使いたいと話していました。どうなったのか、完成が楽しみです
これは中国でのプロジェクト、日本にはないダイナミックさを感じます。その土地のストーリーを知り、その土地の材料を使い、その土地の職人技を生かすのが隈さんの方法
インスタレーションもありました。木を松の葉っぱのようにつないで照明で照らしています。香りの演出もありました
続いては『紙』です。紙の建築といえば坂茂さんですが、隈さんは別のアプローチをしているようでした。ー 液体であったものが, 知らず知らずのうちに個体になっているその転生のエレガントさゆえに, 和紙を「凍れる液体」と呼びたくなる. ー 隈さんってば詩人!
前述されたエキスパンドメタルを和紙で覆ったもの。え…なんじゃこりゃ?
近くで見るとこんな感じ。う〜ん、ティッシュを入れたまま洗濯しちゃった過去を思い出す
気を取り直して、こちらは何年か前にミラノサローネでキッチンハウスの展示で使われたもの。軽い、丸めると強度が出る、エレガント。確かにその通りですが、やっぱり紙の扱いは坂さんの方が一枚上手かも
3続いては『土』です。紙の時にやっていた表面にテクスチャをまとわせる手法で、硬くて冷たい金属を優しく柔らかい質感へと変えています
虫を供養するためのモニュメント『虫塚』解剖学者で虫収集家としても知られる養老孟司先生の発案によるものだそうです
モニュメントについてはノーコメントとさせていただきますが、このオブジェはとっても素晴らしいと思います。影も美しい
続いて『石』隈さん、最初は石が嫌いだったとは意外です。おそらく石ではなくコンクリートが嫌いだったのではないしょうか。それを言うとあちこち角が立つからなるべく直接的に言わないようにしているのかな〜。
石といえばみんな大好き大谷石!美しいとは少し違う良さ。色合いや質感が木との相性抜群です
この肉厚感!こちらは現在放送中の大河ドラマ『西郷どん』が連想されます。私だけかもしれませんが…
ついでにアップも。ものとしての存在感があるから何度もシャッターを押してしまう!余談ですが、撮影可の美術館も増えているので、無音カメラアプリは必須ですね
『石』ゾーンで大きく展示されていたのがスコットランドのヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ。最近有名ミュージアムの分館を地方に建てるのがブームのようですね
一見石の塊のようですが、実は厚さ4mmのホワイトオニキスをガラスでサンドイッチしているもの。この迫力はプリントでは出せません!
断面。わかりにくいですが〜
続いて『タイル・瓦』から、焼き物で作ったトランプタワー
同じことを金属でやった場合。(この辺りから次の予定が気になり始めて駆け足に)
トランプタワー、好きな形のようです。美しい
こちらもオブジェ的に展示されていたもの。最初の竹の展示と同じようにランダムですが、素材が違うと印象が随分変わります
続いて『樹脂』(だったと思う)この建物には仕掛けが…
真横から見るとスケスケなのです。実験的な建築はもはやアートとの境目が見当たりません
ー 特にガラスには厚みがあることが大事で, その厚みは, ガラスの端部=エッジで, 突然に出現する. 物質を扱うときはその端部の扱いが一番大事で, そこで, 物質の厚さ, 重さ, 固さなどがストレートに伝わってくる. ー
ガラスの中にハニカム構造の何かを入れているもの。(この辺ほとんど上の空でごめんなさい)
(えーっと、なんでしたっけ?でもきれいなので載せておきます)
珍しくプロダクトの展示もありました。木の型にガラスを流し込んで作ったランプシェード、だったと思います。東京ステーションギャラリーのレンガの壁と相まって、とってもいい雰囲気
『膜・繊維』からはこちら。カーボン・ファイバーを用いて、RCのラーメン構造のオフィスビルに耐震補強を施した『fa-bo』巨大蚕に乗っ取られたよう
横から見ると繊細な直線と曲線が美しい

最後はかなり駆け足でごめんなさい。時間の関係はありましたが、やはり前半の『木』の部分が一番見応えありました。隈さんといえば『木』ですが、そこに留まらず日々チャレンジを続けることの大切さも学ぶことができました。最後に隈さんからのメッセージを載せて終わりたいと思います。

 

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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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