東京の個人向けインテリアコーディネーター、Class S interior designの住吉さやかです。「お部屋時間を、もっとステキに」をコンセプトとした新生活提案マガジンGo.Ro.Ne.にて『がんばらない模様替えで冬のあったかインテイリア』という記事の監修を行いました。20代30代の一人暮らしの方をターゲットに、ファブリックで秋冬インテリアに模様替えをするアイデアの記事です。大東建託のお客様向け小冊子ということで、お手にとっていただける方は少ないと思いますので、今日は住吉の考える『住まいと四季』について、書きたいと思います。
「季節感をインテリアに取り入れたい」という欲求は、四季があり、季節の移り変わりを楽しんできた日本人ならではの感覚ではないでしょうか。伝統的な日本の住まいでは、夏と冬で建具を入れ替えたり、床の間で季節感を表現する習慣がありました。そのためか、「夏と冬でカーテンを変えたほうが良い？」「アートは四季によって掛け変えたほうが良い？」という質問を沢山いただきます。
わたしの考えとしては「そうしたければすれば良いけど、無理してする必要はない」です。住宅は高気密高断熱になり、室内では年中快適に過ごせます。カーテンを変えると保管する場所が必要になるし、アートを掛け変えようとすると、何枚あっても足りません。現代の暮らしは、ものをたくさん持つよりも、適切な量を持ち、身軽に生きることを快適に思う方が増えていると感じます。だからと言って、季節感のない生活で良いじゃないか！と言っているのではありません。
クッションカバーとベッドリネンを変えよう
インテリアに季節感を取り入れるなら、クッションカバーとベッドリネン（シーツ、掛け布団カバーなど）がおすすめです。理由は以下の５つ。
- 色や素材を変えることで、季節感を取り入れやすい
- 肌に触れるものなので、心地よさにつながる
- 洗ったりクリーニングするので、どちらにしても替えのものが必要
- 交換作業が簡単で、保管場所も少しでOK
- 簡単に手に入り、処分もしやすい
冬にはウールやファー、夏はリネンやコットンと素材を変えるもよし、冬はネイビー、夏はアクアブルーと、トーンを変えるもよし。衣替えのタイミングで、クッションカバーやベッドリネンも交換すると気分も上がります。
フォーカルポイントを飾り、テーブルに花を活けよう
次にアートについて。住吉が考えるアートの役割は、住む人の個性や空間のコンセプトを表現するものなので、季節によって変えるよりも、常にそこにあるものという位置づけです。それとは別に、季節の小物を飾って楽しむのが好きな人は、積極的にインテリアに取り入れてほしいと思います。季節のものやお気に入りの小物を飾る場合、それがお部屋の見せ場（フォーカルポイント）になるような工夫があると素敵です。場所、高さ、他の家具とのバランス、空間の特徴などなど、いろいろな条件を加味しながら、ここだ！という場所を見せ場にすると、少しのアイテムで効果的な季節の演出ができるようになります。
一方、生活している中で最も視界に入りやすいのはダイニングテーブルの上ではないでしょうか。皆さんも留守中家族に伝言をしたい場合、相手がいつも座る場所にメモを置いたりしませんか？一日に何度も座るダイニングテーブルの上に季節のお花を飾ることは、季節を楽しむ一番の方法だと思います。わたしはしばらく、お花の定期便を利用していました。生活に季節感と華やかさ、潤いが生まれてとても良かったです。
まずは手軽なことから、住まいに四季を取り入れてみてください。
