明けましておめでとうございます。昨年は念願だったブログをスタートさせる事ができ、充実した一年でした。2016年もこのブログをコツコツ育て、私自身も成長していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
新年最初のエントリーは、年末に休暇を取って訪れたホテルのレポートです。夫が私のインテリアの勉強のためにと予約してくれた『フラノ賓亭留』。北海道はとても良い雪質のスキー場が多数あり、オーストラリアをはじめ世界中から観光客が訪れているそうです。このホテルも海外のゲストが多く、素敵なインテリアと相まって、外国のホテルに居るような雰囲気でした。
ミルキーウェイなペンダントが圧巻
入り口を入るとまず目に飛び込んでくるのは無数の灯り。そして一枚板で作られた全長11mのテーブルに、リキウインザーっぽいチェア(アームが片側だけなのでオリジナル?)、その奥には静かな雪景色が広がり、ホテルを象徴する空間になっています。
この照明、天の川みたいに見えませんか?そう思ってよーく見ると、ランプのシェードは“ふらのMILK”と書かれた牛乳瓶を加工したもの…ミルク?ミルキーウェイ!この空間の為に作られたであろう照明のコンセプトは、ミルキーウェイに違いないぞ、と密かに確信しています。
制作意図の真偽はさておき、ペンダントライトの効果って本当に絶大です。目の高さに灯りがあると、空間に入った時にホッとしますし、天井は適度に暗くて落ち着くあかり。この照明は、訪れる人を温かく迎え、我が家の様に寛いで欲しいというメッセージの表れなのです。
柔らかい光のグラデーション
ロビーのドラマティックな雰囲気から一転、お部屋は優しくあたたかい空間です。ナチュラルカラーのインテリアで清潔に整えられていて、とてもシンプル。なのにこの心地よさはどうして?と部屋をもう一度見渡すと、その秘密も照明にありました。お部屋の天井には照明が何も付いておらず、代わりにベッドの左右にあるコーブ照明が、部屋全体を柔らかい光のグラデーションで包み込んでいるのです。
光源が直接目に入らないのでとても快適ですし、天井で反射された光が優しくお部屋全体を包み込んでとても明るく感じます。これは、ダウンライトやシーリングライト(ホテルではまず見かけませんが)では作り出せない、優しくあたたかいあかりです。
もちろん、ベッドサイドの調光できるスタンドや、壁のブラケットもシーンに応じて使い分けられます。自宅の寝室をホテルライクにしたい!という人は照明を工夫すると効果的です。ベッドサイドにスタンドを置いて、寝る前はそのスタンドだけで過ごすだけで、ずいぶん雰囲気が変わりますよ。
お気に入りの場所を見つける楽しさ
フラノ賓亭留は3階建て、客室25室のこじんまりとしたホテルです。入り口のある3階は、最初にご紹介したラウンジがあり、一枚板テーブルの手前に暖炉、横には奥行きが1mほどあるソファが置かれています。その隣には落ち着いた雰囲気のバーラウンジがあり、その奥にはもう1ヶ所ソファの置かれたスペースがあります。こちらは開放的な窓に面していて、ティータイムにお茶とお菓子をいただくスペース。一番奥はとっても美味しくてアートなフレンチが頂けるレストランです。
どの場所もそれぞれに心地よく、朝はテーブルから朝焼けに染まる雪景色を眺め、ティータイムはソファで本を読みながらケーキを頂き、食後はバーでカクテルを飲みながらブログを書く(しかもケーキもカクテルも全部FREE!)というように、その時の気分によって自分の居場所を見つけられます。
ソファのレイアウトやテーブルと椅子のバランス、暖炉を囲むベンチのサイズなど、全ての空間がちょうどいい“たまり”を形作っていて、他の宿泊客との距離感も適度に保たれるように計算されつくした空間なのです。
お料理やスタッフの方々のおもてなし、温泉、岩盤浴、ジャグジーなどなど、フラノ賓亭留の素晴らしさはまだまだたくさんあるのですが、心地よい空間とその理由を中心にご紹介しました。
居心地がよく、リラックスできたり話が弾んだり幸せを感じる空間には、必ず理由があります。インテリアを学び始めた頃、恩師に「素敵だと感じた空間の、素敵な理由を考えなさい」と教わったことを思い出しました。今回の旅行で気づいた素敵な理由(工夫)を、これからの自分の仕事にフィードバックしていきたいと思います。本日もお読みいただき、ありがとうございました。