コーディネーターの日常

進化を続けるテーブルウェアフェスティバル2019

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こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。先日、東京ドームで開催中のテーブルウェアフェスティバル2019に行ってきました。前回行ったのは2017年でした。その時のブログはこちら。

前回同様、平日の昼間に行ったのにものすごい混雑…相変わらずの大盛況でした。なるほどな、と思ったのは見るからに上品な母親と20代前半くらいの娘さん。娘の方はまだそれほど食器に興味はなさそうですが、母親が良いブランドから素敵なテーブルセッティングまでしっかりと解説をしていました。若いうちから上質なものに触れることで審美眼が養われ、彼女もいづれは素敵なテーブルコーディネートをするようになるかもしれません。イベントも教育の機会として活用するなんて、さすがです!(全て住吉の妄想ではあります…)

さて、妄想はさておき今年感じたトレンドをまとめてみたいと思います。

テーブルウェアフェスティバル2019のトレンドとは

ナチュラルの解釈として自然素材は減少、動物モチーフが増加

インテリア同様、テーブルウェアでも引き続きナチュラルと言うか自然を感じるスタイリングが多くみられました。ただし、2年前はスレートプレートや木製のカッティングボード、時には丸太などの自然素材が目立ったのに対し、今年はそう言った素材感のあるものは減っていました。

その代わり(?)目についたのは動物のモチーフたち。とってもチャーミングでインパクト大の動物たちがテーブルを賑わせていました。

進化を続けるテーブルウェアフェスティバル2019

ヘリング・ベルリンの海の生き物が描かれたシリーズ。なんの料理を盛るのか、とっても悩みそう!カトラリーレストやテーブルの上のオブジェまで、抜かりなく魚モチーフでした。

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こちらもヘリング・ベルリンだった…かな?記録が曖昧でごめんなさい。こちらは陸の生き物がモチーフ。デッサン画のようなタッチと柔らかいグレーの色が絶妙にマッチしています。

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ボルダロ・ピニェイロらしい遊び心たっぷりのシリーズ。キツネのほか、鹿や狼、イノシシなど森の愉快な仲間たちが揃っていました。奥の木の枝には猿のオブジェまで!

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大倉陶園にも動物モチーフのシリーズがありました。サファリの動物たちが上品かつ力強く描かれています。

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ノリタケのブースには、こんなキュートはうさぎもいました!見えづらいですが、ナプキンもうさぎの形に折られています。

また、スタイリングシーンとしてガーデンパーティも多かったです。キーワードとしては出てきていませんでしたが、アウトドアリビングやグランピングのように、屋外でのシーンを室内と同じように上質な設えで楽しむスタイルは、ますます加速するでしょう。

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バーレイはモリスやリバティを思わせるシックな小花柄の器を屋外で使い込んだ風合いのあるテーブルと合わせることで引き立てていました。

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ノリタケブース内のナハトマン。太陽の光が似合いそう!このガーデンパーティに呼ばれたいと本気で思いました。

MIXスタイルの決め手はフラワーアレンジ

続いて注目したのはフラワーアレンジです。とにかく斬新なスタイリングが多かった印象です。器はオーソドックスで使いやすいものでも、フラワーアレンジ(とテーブルクロス)で随分印象が変わります。フラワーアレンジはいわゆる『花を添える』的な存在ではなく、ハズシの要素として非常に重要な役割を担っていました。

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マイセンのブース。ひょろっとした背の高いお花の根元(?)にもボリュームのある別のお花を入れて対比させるアレンジは、他にもたくさん見かけました。あえてテーブル上に無いバイオレットを入れるのが素晴らしい!

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こちらはKPMベルリン。フラワー以外はオーソドックスでエレガントなテーブルコーディネートなのに、このピンク、この枯れ枝!良い悪いの前に強く記憶に残りました。

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レイノーのブースはあまりのビビッドカラーに拒否反応を示すお客様も見かけましたが私は大好き!フラワーは一見するとクロスの色と揃えているだけのように見えて、長く伸びた枝⁈高度なハズシテクニックに感激です。

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波佐見焼が出していたブースは、どれも参考になりました。紫色の彩度をグッと抑えた器に、一つビビッドなフラワーが入ることで、全体が生き生きしています。

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さりげなく見えて計算し尽くされたフラワーアレンジ。テーブルランナーをアシンメトリーに敷いているのも素敵でした。引き算の美学!

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大倉陶園では、クラシックな雰囲気をさりげなく、でもはっきりとかき乱すフラワーアレンジが素晴らしかった!このニョキニョキがあると無いとでは、見え方が全く違ってきます。

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こちらも同じく大倉陶園の春のアレンジ。あえてのバッドチューニングによって、伝統と革新を感じさせてくれています。

ハズシは高度なテクニックですが、ベーシックな食器に季節のお花と色を添えるファブリックで多様なテーブルコーディネートを楽しむ、と言う基本を思い出す良いきっかけになりました。

アール・デコな幾何学模様がこれから来る予感

最後に、数は少なかったのですが、これからトレンドになるだろうと感じたものをご紹介します。直線的な幾何学模様のリピートがモダンな印象のアール・デコです。インテリアではすでにトレンドになっているので、テーブルウェアでも増えていくのではないでしょうか。幾何学模様はモダンな中にも民族的な要素も持ってて、一つあるだけで旬なコーディネートにしてくれるパワーアイテムです。

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フュルステンベルグがデザイナーのジーガーデザインとタッグを組んたシリーズ。これ絶対に流行る!

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こちらも積極的にデザイナーとコラボレーションしているローゼンタール。個性的な持ち手のポットはパトリシア・ウルキオラによるデザイン。

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カガミクリスタルの竹の膳シリーズもアール・デコ的と言って良いと思います。これでキリッと冷えたか辛口の冷酒飲んだら、さぞかし美味しいだろうな〜。

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波佐見焼は北欧風とも言えるけど、ボタニカルよりも幾何学寄りのものもありました。テーブルクロスに使っているのは藤江テキスタイルのシアー生地。良いアイデア!

他にもたくさん素敵なテーブルウェアがあり、スマートフォンの充電が無くなりそうになるまで写真を撮りまくったので、機会を見てまたご紹介したいと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。
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