東京の個人向けインテリアコーディネーター | Class S interior design

実例:モリスと民芸家具でつくるアート&クラフトインテリア

こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。本日は完成したばかりのプロジェクト、横浜市K様邸をご紹介します。民芸家具とピュアモリス を合わせた和洋折衷のArt & Craftなインテリア、お引越しのタイミングに合わせてご依頼をいただき、ソファ以外の家具、照明、カーテン等のご提案からご納品までを行いました。

コンセプトは『丁寧にはぐくむ暮らし』

初回カウンセリング前に、奥様から好きなインテリアのイメージを写真やキーワードで共有いただいていたので、お会いする前から、私の中でご夫婦のお好きなものがぼんやり掴めていました。そうしたら、初めてお会いする日「奥様はこんな服がお好きかな?」と思って着て行ったワンピースが、奥様とお揃いコーデみたいな状態になって驚きました!

ご要望は明確で、ダイニングセットは松本民藝家具をご希望とのお話もありました。また、和のテイストだけでなく、洋のものもお好きということ、また現代的なマンションの内装との調和もご希望でしたので、それらをミックスした折衷スタイルとしました。

ピュアモリスのカーテン

このプロジェクトの一番のポイントはカーテンです!そう、私の大好きなウィリアム・モリスのデザインを現代的に解釈した『ピュアモリス』シリーズ。たっぷりとしたヒダ(実はフラットカーテンです!)の陰影、光が透過した時に浮かび上がるウィローボウの柄、昼と夜の表情の違いなど、ずっと眺めていられる美しさです。

カーテンボックスを活かす形でストレートバランスもつけています。これがしっかりと吊り元やサッシを隠してくれることで、上質感がアップしています。まだ緊急事態宣言下で完全予約制のマナトレーディングのショールームで、カーテン選びをお手伝いいただいた山田さん、ありがとうございます!(写真はその時のメモ)

K様邸は周囲からの視線が気にならない立地、深い軒と複合ガラスの窓という良条件が重なったため、カーテンはピュアモリス 1枚のみとしています。開けた時にカーテンの溜まりが出来すぎないよう、山を作らないフラットスタイルとしましたが、既存レールのうち使っていないレールのランナーを全て外し、ヒダが美しく出てくれるように調整してもらいました。

民芸家具はテレビボードが難しい

和洋折衷スタイルにしようとした時に、最初から最後まで頭を悩ませたのがテレビボードでした。クラシカルなデザインのテレビボードの場合、幅が150cmくらいまでのものしかないのですが、オーディオに拘っていらっしゃるご主人様のご希望を叶えるためには幅180cmは譲れず、かつ大きなアンプが入るものを見つけるのに、時間をいただいてしまいました。

決定したのは飛騨産業さんの北海道民芸家具シリーズのものです。ダイニング側に置いたボードも北海道民芸家具のもの。正統、伝統などのキーワードを挙げていただいたK様邸にぴったりのセレクトとなりました。

いろいろなチェアを組み合わせるメリット

ダイニングは丸テーブルにアームチェア2脚、アームのないチェア1脚、そして生まれてくるお子さんのためのチェア1脚を並べました。チェアをバラバラにしたい!というご要望をいただくこともあり、私もオススメしております。

おすすめの理由のひとつは、人それぞれ一番座り心地が良いチェアが異なるという点です。真剣に座り比べをすると、ちょっとした座面の高さや深さ、アームの有無、背もたれの角度などによって座り心地が変わることに気付きます。そしてそれは体型や好みの姿勢、チェアに座るシーンの違いによって生まれるものなので、家族全員にとってベストな1脚、というのを見つけるのは非常に難しい。であれば、それぞれがベストな1脚を選ぶというのも良い選択ではないでしょうか。

松本民藝家具はいろいろなデザインのチェアがあり、それぞれのサイズも少しずつ違っていました。そこで、代表的なデザインの中から、さらに座り心地の異なるものを選び、好きなものをマイチェアにしてもらえるようにと考えました。

撮影にお伺いした時にお伺いすると、奥様はアームのないチェア(左)を、ご主人様はアームがあって座面が広い『キャプテンチェア』(手前)をご愛用いただいているとのことでした。※チェアの位置は撮影用に移動させています。

奥様が見つけた九谷焼のテーブルランプ

このコーディネートの華になるのがボードの上に置いたテーブルランプです。ご夫婦の思い出のブーケを額装したものと、活けていただいたお花もとっても素敵です!

実は、プランを作る上で陶器でできたテーブルランプをずっと探していました。詳しそうな人に聞いても、なかなか思ったようなものに出会えず、暗礁に乗り上げてしまいました。奥様が自ら色々と調べてくださったショップの中で、ようやくベストなものに巡り合えたのがこの商品です。

ボリュームがあるけれど、海外製のものほど巨大でなく、台やランプ部分も丁寧な作り、何よりも九谷焼の美しい絵柄がK様邸にぴったりです!シェードから広がる光も美しい。ボード上のランナーはカーテンの残布で作ったものです。

それなら、と観葉植物の鉢カバーも陶器製のものにしました。鉢カバーを変えるだけで、お部屋の印象がガラッと変わります。

クッションはメンテナンス性を考慮して洗える既製クッションにてご用意しました。カーテンと同じモリスのウィローボウ柄です。生地が違うと印象が変わって面白いですね。

 

納品日にK様が用意してくださっていたお茶と飴。わたしも職人さんたちも助かりました!お心遣いありがとうございます。K様、この度はご依頼いただき誠にありがとうございました。

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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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