アートのある暮らし

大塚美術館連動企画のゴッホルームに宿泊

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こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉です。先日、祖母の米寿のお祝いのために帰省し、宿泊したホテルのレポートをしたいと思います。私は徳島県鳴門市の出身です。鳴門市は兵庫県淡路島と橋で繋がっていて、渦潮が有名、そうラーメンの上に乗っている(最近乗ってない?)白と赤のくるくる模様の練り物『なると』の由来の場所です!

大塚美術館が予想外に面白い

渦潮の街鳴門は、ポカリスエットで有名は大塚製薬のお膝元でもあり、本社を東京に移した今でも新人研修を行う場所でして、地元の人は大塚製薬が大好き(たぶん)。その大塚製薬がつくった鳴門につくった『大塚国際美術館』は、世界中の名作絵画を特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに複製している「陶板名画美術館」なのです。

なんのこっちゃ?つまり、油絵を陶器で再現していて、原寸大、本物そっくり、触れても大丈夫、色褪せない、そして『システィーナ礼拝堂天井画』のようにその場所に行かないと見られないものを空間ごと再現しているので、教科書やテレビで見るよりも迫力あるよ、という珍しい美術館なのです。

今、美術史を教養として学ぶのが流行っているので、西洋絵画の流れと「とりあえずこれだけは覚えておけ」的作品をインプットするにはすごく役に立つ美術館です。都内と違ってのんびり過ごせるし、海の幸は安くて美味しいし、おすすめです〜。

一部屋まるごとゴッホのひまわり

そんな大塚美術館が今『一年まるごとゴッホのひまわり』という企画を開催中らしく、ホテルにチェックインする時に「大塚美術館のイベントにちなんで、ゴッホルームをご用意しました」とのこと!わーい!どんなお部屋なんだろう。

大塚美術館連動企画のゴッホルームに宿泊

お部屋全体はゴッホがひまわりの絵をたくさん描いた南フランスのアルルをイメージしているプロヴァンススタイルだと思われます。この日は雲の厚い日だったので写真の色がくすんでいますが、ビタミンカラーのグリーンとオレンジ、イエローという元気の出る配色でした。

大塚美術館連動企画のゴッホルームに宿泊

ベッドヘッドの壁紙はイエローのひまわり柄!スローとクッション、ボトムスカートまでイエローで統一されていてインパクト大です。もうひとつ、グリーンのボルスタークッションでもあれば完璧だったかも。

大塚美術館連動企画のゴッホルームに宿泊

ミニバーにもひまわり!おそらくミュージアムショップで売ってるであろうマグカップと下のトレイもゴッホのひまわり。嬉しいのはひまわりのハーブティやひまわりのアロマオイルなどもアメニティがあり、五感で感じられる仕掛け。

教養があればアートはもっと楽しい

実は私、ゴッホの絵があまり好きではなく、ゴッホという人物についても『耳を自分で切っちゃった精神を病んだ人で、生きている間に全く絵が売れなかった画家』くらいの知識しかありませんでした。

大塚美術館連動企画のゴッホルームに宿泊

部屋にはゴッホに関連するミニライブラリーもあり、ライトに読めるラインナップが◎

ホテルの部屋にはゴッホ関連のミニライブラリーがあり、絵本でゴッホの生涯を簡単に描いたものや、ゴッホの筆跡を原寸大で見ることでそのオリジナリティを理解する図録などをパラパラめくって見ていくうちに…「ゴッホは確かに美術史を一歩前に進めた偉大な画家だ!本物のアーティストだ!」という具合にすっかり感化されてしまいました。

これがいわゆる『アートは教養だ』の部分だと思います。私のような無教養人が絵をただ見るだけでは、ゴッホのような下手な絵(大変失礼で申し訳ありません)がなぜこんなに評価が高いのかわからない。その前後の印象派からモダンアートへの変遷や、彼がいつ何を感じて描いた絵なのかを知らずに、その価値を理解できるわけがないよな〜、と、反省。

アートは右脳と左脳両方で理解する

少し話が脱線しますが、私の場合、実はピカソについても初めは全く理解ができず「ピカソをすごいすごいと有り難がってる人たちって、本当はわけわかんないのに、そう言わないとバカにされそうだから話を合わせているだけなんじゃないの?」と思っていました。

ですが、ピカソの絵を実際に見たらその熱量に圧倒されてしまい「理屈じゃなくこの人はすごい」と感じました。絵を描かずにはおられない、というエネルギーのようなものが伝わってくるように感じたのです。

ゴッホとは対照的だったピカソへの理解の深まり方。知識を持っているだけではピンと来なくても、オリジナルを大量に見ることで(箱根の彫刻美術館のピカソ館がよかった)感じる場合もあります。本物を見る大切さ、オリジナルにしかないエネルギーというのは、絶対にあります。

デザインとアートは目的が違う

大塚美術館連動企画のゴッホルームに宿泊

枕を選べるサービスもありました

さらに脱線すると、装飾や見た目の面白さについて話をしている時、デザインとアートをあまり区別なく捉えているのかな?と感じることが少なからずあります。でもわたしは両者は全く違うと思っています。

デザイナーは情報を整理して正確に伝えるのが仕事、いくら熱量があっても完成度が低ければ絶対に評価されません(『へたうま』にも明確な目的がなければいけない)。一方アーティストはどれだけ上手に絵を描いても、そこに『表現したい』という熱い想いがなければ、これもまた誰にも評価されないでしょう。

デザイナーという肩書きを使っていてもアーティストとして評価するに値する仕事をしている方もいますし、デザインの仕事もこなすアーティストもいてビシッと線引きできるものではないものの、デザインを仕事にしている私が、アートを楽しむ中で実感している違いについて文章にしてみました。

 

大塚美術館
Address:〒772-0053 徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
Open:9:30〜17:00(月曜休館)
Tel:088-687-3737
http://o-museum.or.jp/

オーシャンビューと徳島の食材をふんだんに使った料理、温泉露天風呂、阿波踊りのパフォーマンスも楽しめるエンターテイメント性の高いホテル。ホテル内は基本浴衣&スリッパOKというハイブリッド型リゾートホテルです。

ルネッサンスリゾートナルト
〒772-0053 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字大毛16-45
TEL:088-687-2580
http://renaissance-naruto.com/

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