東京の個人向けインテリアコーディネーター | Class S interior design

アートフェアを楽しむ


こんにちは。今年はアートを学ぶ一年にすべく、先日アートフェア東京(@国際フォーラム)に行ってきました。国内のギャラリーがこれぞというアートを展示し、販売もするイベントです。インテリアとアートは密接な関係で、アートが入って初めて空間が完成すると言っても過言ではありません。そんなアートをいっぺんにたくさん見られて、ギャラリストやアーティストの話も直接聞けて、購入もできる!とっても楽しいイベントなので、オススメのポイントをまとめました。アートって?という方は、わたしのアート探しが大変だった話もぜひお読みください。

古美術・近代・現代の作品が勢ぞろい

アートフェア東京の特徴は、そのラインナップの豊富さにあります。アートを時代ごとに大きく分けると、掛け軸や壺などの古美術(江戸時代の終わりまでの作品)、日本画や油絵を中心とした近代アート(明治〜第二次世界大戦までの作品)、現代アート(第二次世界大戦以降の作品)の3つに分類できます。それらすべての作品が一度に全て見られるアートフェアは珍しく、海外のお客様もたくさん来ていました。

目玉展示として超有名作家の作品もあります。岸田劉生の麗子像やシャガールの作品など、美術館でしか見られないと思っていた作家さんの作品が展示されていたのには驚きました。そして、わたしが見られて嬉しかったのは、白髪一雄さんの作品です。白髪さんといえは海外のオークションで高く評価された『具体』を代表する作家さんで、生で見る作品の迫力は素晴らしかったです。

サザビーズで5億4,590万円で落札された白髪一雄の「激動する赤」
http://www.tomosha.com/

作家さんと触れ合う喜び

現代アートのギャラリーでは、作家さんから直接作品のお話が聞ける場合も多いです。わたしが気になったのは、Mrs.Yukiというユニットで活動している作家さん。ニシキヘビ(5年以上育てている)がコンクリートを移動してできる形をアートにした『足跡』という作品がとても印象的だったので話しかけて見ると、とても気さくに親切に答えてくれました。作品を作る苦労や作家活動を始めたきっかけなど、いろいろな話を聞くことで作品に対する理解が深まります。

Mrs.Yukiの二人は理科の実験の延長のような形で、まだこの世界にないものを作っているみたいで、理科好きのわたしにはとても共感できる感覚でした。作家さんによって、作品を作る動機はそれぞれ違っていて、いろいろなものを観察し、考え、形あるものとして表現したのが作品は、単純にキレイ、すごいにとどまらない深いストーリーがあります。それを知ることで、自分が今求めているアート、必要なアートに巡り会えるのですね。

Mrs.Yukiの2016年Komagome SOKOでの個展「足跡」
http://paaet.jugem.jp/

目を肥やし、相場観を養う

アートフェアと美術館の一番の違いは、作品にプライスがあることです。もちろん美術館もお金を払ってアートを所有しているわけですが、その価格を発表したりしないですよね。ところが、前述した岸田劉生やシャガールは5億円という価格がつけられていて!たとえ買わなくても(買えなくても)アートフェアに行けばアートの値段を知ることができます。

もちろん、高額の作品ばかりということはありません。小さな作品なら数万円からありますし、若手作家さんのものは価格が抑えられているケースが多いです。わかりやすくプライスが表示されているギャラリーもあれば、されていない場合もある(キャラリストに聞くと教えてくれる)ので、気に入った作品は話を聞きながら価格も調査していくと、一気に相場観が養われます。

相場観が養われてくると、「この作品でこの価格はお買い得だな」というのがわかるようになります。そして、だいたいそういう作品はすでに売約済みの赤シールが貼られていて、やっぱりな、となるわけです。自分の感覚よりも高い作品があった場合も、理由を聞いてみると面白いです。だいたい30万円くらいかな、と思った作品が100万円を超えていたりする場合は、自分が知らないだけでとても有名な作家さんだったりするので勉強になります。

Pe Lang “color | nº 10″2016 – 2017
海外のミュージアムのコレクションしている作家さんで価格は100万円超
http://image.pia.jp/

買うつもりで見るアートの楽しさ

普段は美術館で鑑賞するアートを、購入して所有する対象として見ると、今までと全く違った見え方に気づくことができ、とても面白いと思います。わたしの場合、鑑賞するには迫力があって遊びがあって驚きがあるアートが好きです。が、家に飾るとなると、派手な色使いよりもシックにまとめたいな、意外性よりも飽きのこないものを…と、心が落ち着くようなものを良いと感じる自分がいました。これが自分の家ではなく、オフィスだったらまた別の感覚が生まれてくると思います。アートには、その場、その人にふさわしいものがあるのです。

また、気に入ったアートを自分ならどんな空間に飾るか、という視点で楽しむこともできます。このモダンアートを床の間に飾ったら面白いだろうな、その場合和室の壁はこの色、窓の位置はこんな感じで…と、妄想が膨らみます。お気に入りのアートを出発点にする家づくりも面白いな〜と、ワクワクが止まらなくなります。鑑賞するだけではもったいないのが、アートなのです。

能條 雅由 Mirage #6
Gallery Art Compositionのコレクションはどれもぐっとくる。お気に入りのギャラリーを見つけるのも楽しみのひとつ
http://www.galleryartcomposition.com

今回は、駆け足で回ったので購入には至りませんでしたが、来年は何か買いたい!アートフェアに興味のある方がいらっしゃれば、一緒にどうですか?ご案内しますよ〜。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。
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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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