こんにちは。ずいぶん時間が経ってしまいましたが、前回のブログに書いた額装が完成しました。額装して部屋に飾って、アートのある暮らしへの理解がより一層深まったと感じる日々です。アートを飾ることは、例えばグラフィカルなポスターを飾ることとは全く意味が違うということに気づきました。今回はアートを飾る上でもっとも重要とされるコンセプトの話を書きたいと思います。
運命の出会い。一目惚れ。
私が初めて自分用にアートを買ったのは、衝動買いでした。仕事用のアートを探していただけで、まさか自分用に買うとは思ってもいなかったのですが、最初に見たときからすごく気になっていて、結局仕事用のアートを選び終わったあとに購入しました。何が気に入ったか、というのを言葉で説明するのは難しいですが、惹かれるものがありました。
そしてこれもあまり深く考えていなかったのですが…アートは、欲しい時に欲しいものが売っているわけではありません。だから、すごく好きなものに出会ったら、運命だと思って買うしかないんですよね。
私が購入したのは、平体文枝さんの作品です。後から知ったのですが、平体さんの作品はパレスホテル東京やリッツカールトン京都などにも飾られていて、注目度の上がっている若手の作家さんです。機会があれば、直接お話を伺ってみたいと思っています。作家さんとの交流も、アート購入の楽しみの一つではないでしょうか。
額縁のパワーはすごかった
さて、ジンプラさんにお願いした浮かし額装が完成しました。額装前の作品はサイズが小さかったこともあり、カジュアルな印象でした。私が好きなのでそれで良いのですが、カジュアル、チープ、手が込んでいなくて簡易的な感じが否めませんでした。そこにあえてスタイルの異なる額縁を持ってくることで、エクレクティックに仕上げてみようというのが目的です。その仕上がりは…
完成品を初めて見た時、あまりにも立派になっていて驚きました。全体にボリュームが出たことで作品の存在感が増していて、リッチな印象に。作品の優しいイエローが映えるようにと選んだライトグレーの台紙も狙い通りです。作品と額縁との質感の違いは、広めにとった余白が上手に調和してくれていました。
額縁を選ぶということは、アート作品を自分のものとして消化することなのかもしれません。作品には作家さんの思いが込められています。その作品に今度は購入した自分の思いを込める。アートによって生活空間をどのように変えたいか、どんなライフスタイルを手に入れたいか、そういう願いみたいなものを、額装することで作品に込めることができるように思います。(額装に限らず、飾り方で込めることもできると思います)
アートに込める思い、それがコンセプト
以前、アートの選び方・買い方でもコンセプトの重要性について書きました。コンセプトとは、全体を貫く『基本的な概念』のこと…と言われても、ピンと来ないですかね。今回のように自宅やオフィスに飾るアートのコンセプトを考える場合、それは『アートに込める思い』『アートに託す願い』と言っても良いと思います。アートに癒しを求めるということは、生活に癒しを求めているということですし、アートに刺激や驚きを期待するということは、刺激のある人生を送りたいという願いがあると言えます。
私はこのアートに『ゆったり、のんびり、水面に浮かぶ木の葉のように肩の力を抜いて、荒波に逆らわず、かといって飲み込まれず、自分らしくしなやかに生きる』という思いを込めています。それは、購入した瞬間にはわからなかったけれど、額装したり飾ったりする中で、徐々に具体的になったコンセプトでした。気に入って購入したアートについて、改めてどこが気に入ったのか?何を感じるのか?など考えてみると、コンセプトが見えてきて、さらにその作品を好きになれますよ。
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