こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉です。先月、アートオークションで面白い事件がありましたね。ロンドンで行われたサザビーズのオークションで、イギリスのストリートアーティスト・バンクシーの作品が、落札直後に額縁の仕掛けによってシュレッダーされてしまったのです!これはバンクシー自身が仕掛けたサプライズで、シュレッダーされた作品の価値はさらに上がっているようです。衝撃の映像はこちらです。(撮影はバンクシー自身)
そのほか、ZOZOの前澤社長がバスキアの作品を約123億円で落札したニュースなど、アートオークションが話題になることが増えています。私もオークションに参加してみたいな〜とふと思い立ち、先週SBIアートオークション『Harajuku Auction』を下見してきました。
誰でも下見会に行けるって知ってましたか?
オークションといえば、みんなが口々に金額を言って、最後にハンマープライス!という流れはなんとなくイメージできる人が多いと思いますが、実際にオークションが行われる前に『下見会』が行われているのはご存知ない方もいらっしゃると思います。
今回も、前日と前々日に下見会が行われました。これ、誰でも参加できて、入場も無料です。予約も記名も不要なので、私もふらっと行って見てきました。
オークションは名前の通り原宿カルチャーに焦点を当てたもので、下見会に来ている人たちもおしゃれな男性が多かったです。そして、若い人もたくさん来ていました。普段のギャラリーや美術館とも違う雰囲気でドキドキ><
バスキア、ウォーホル、バンクシー、そしてあの入手困難な箱も?!
では、ここからは出品されている作品とその予想額、さらに落札価格をご紹介します。
まずは入り口に一番近い場所、右からキース・ヘリングのシルクスクリーン、予想価格180〜250万円に対して、落札価格276万円。中央ジャン・ミッシェル・バスキアのシルクスクリーン、予想価格50〜80万円に対して、落札価格100万500円。
上、バンクシーのシルクスクリーン、予想価格70〜120万円に対して、落札価格161万円。ZOZOの前澤さんの好きなキース、バスキア、そして冒頭でご紹介したバンクシーなどは予想価格を上回っての落札になっています。原宿では絶大な人気なんでしょうね〜。
2階のアンディ・ウォーホルコーナーは左手壁の手前上からMao (F. & S. Ⅱ.94)、予想価格300〜500万円に対して、落札価格391万円。中央上Jean Cocteau (F. & S. Ⅲ.B.15A)、予想価格150〜250万円に対して、落札価格241万5千円。奥上Jacqueline Kennedy Ⅲ (Jackie Ⅲ) (F. & S. Ⅱ.15)、予想価格150〜250万円に対して、落札なし。
正面のDaisy (F. & S. ⅢA. 38)、予想価格400〜700万円に対して、落札価格483万円。ウォーホルはもともとの価格が高いものの、落札価格内での取引ばかりでした。すっかり市場価格が安定しているようです。
ウォーホルの奥には日本人アーティストコーナー。一番右の奈良美智の木版画は予想価格500〜1,000万円のところ、落札価格1,667万5千円。奈良さんは私も大好きなアーティストなので、間近で見られて幸せでした。奥には草間彌生。
眼帯の部分はコラージュになっています。よく見ると全体にパールがかかっていて透明感があり、目の奥に吸い込まれそうなパワーを感じます。
プリント作品が多い中で奥の壁の右は原画です。ロッカクアヤコのアクリル画、予想価格400〜600万円に対して、落札価格977万5千円!左上も同じくロッカクアヤコの和紙にクレヨン画、予想価格50〜80万円に対して、落札価格184万円。どちらも予想価格を大きく上回る取引になっています。
このロッカクアヤコさん、まだ36才にして今もっとも勢いのあるアーティストの一人だそうです。筆などの道具を使わず、手で直接絵を描いているのだとか。動画があったので貼っておきます。
ではここからさらに原宿っぽいものをご紹介します。
右、空山基 × Disney × TOMYの亜鉛合金製のオブジェ、予想価格15〜20万円に対して、落札価格36万8千円。左がちょっとわからず…スミマセン〜。
どちらもジェフ・クーンズの陶器、予想価格はそれぞれ90〜120万円に対し、左の黄色だけ落札されて落札価格103万5千円。
これ、美しかったな〜。倉俣史朗のアクリルのオブジェ、予想価格45〜50万円に対し、落札価格86万2,500円。椅子が有名ですが、こちらの方が鑑賞しやすくて良いのでは、とかいうと怒られますかね。本物が見られて嬉しかったです。
これはクレス・オルデンバーグの作品集に石鹸がついたセットです。予想価格10〜15万円に対して、落札価格20万7千円。これ以外にもおもちゃっぽいものもたーくさんありました。そんな中…
どちらもハロシ、右Appleは予想価格50〜80万円に対して253万円!左SCREMING LEFT HANDは予想価格80〜150万円に対して 391万円。すごーーーーい!これらのオブジェ、壊れたスケートボードを使って作られています。クオリティの高い作品でした。
最後、ようやくこれをご紹介します。ルイ・ヴィトン × Supremeのトランク、ユーチューバーのヒカキンさんが買ったことでも有名です。まさかここに置いてあるとは!(ヒカキンさんのものではありません)予想価格800〜1,200万円に対し、落札価格1,092万5千円。予想価格を超えなかったようですね、話題性があって期待度高かったでしょうから、少し残念だったかもしれませんね。
最高落札価格はどれだ?
ここまで金額にフォーカスしていたら、一体どれが一番高く売れたのか知りたいですよね。というわけで、頑張って調べました。
1,000万円台の作品は7つ、2,000万円台が2つ、最高落札額はゲルハルト・リヒターのWar Cut Ⅱ (Butin 125)、2,760万円でした!
こちら、ゲルハルト・リヒターの作品集で、表紙にペイントされたユニークピースです。予想価格900〜1,500万円も驚きです。下見会のスタッフに「一番高いのどれですか?」と聞いたら、これを紹介してくれました。本なのに、怖くて触れないのでは?!
2番目に高額落札となったのが写真右上のカウズ、オリジナルの作品です。予想価格500〜1,000万円に対して、落札価格2,300万円です。カウズの作品はたくさん出品されていて、安定して高値で取引されていました。
続いて、予想をはるかに上回って落札された作品をご紹介します。オークションの顔にもなったKYNEの3作品はいづれも予想価格の10倍越え!すごい。
オークションの顔とも言えるこの作品、オリジナルのアクリル画です。かなり大きいのに予想価格が40〜60万円とお手頃だったにも関わらず、落札価格は506万円。
中央上の小さな作品、こちらもオリジナルで予想価格が10〜15万円だったのですが、落札価格は126万5千円!このサイズで???
もう1点KYNE × 山口 歴の“STAY GOLD“ LIMITED 100という作品も予想価格5〜15万円が落札価格120万7,500円で、予想額の12倍もの価格がつきました!これだけ写真取ってなかったんですよ、そのくらいノーマークの作品でした。
ちなみに、オークションには予定が合わず参加していませんが、オンラインや電話での入札も可能で(事前登録が必要)、結果も全てWEBで見られるので、ブログ内の落札額はWEBで確認しています。いつかオークション会場にも行ってみたい〜。
いかがでしたか?アートオークションの下見会を疑似体験していただけたでしょうか?オークションに参加しなくても、下見会だけでも楽しめました。今流行りのアーティストや、その価格帯もわかりますし、自分だったらこのアートにいくら払うかな?と妄想しながら見ても面白いです。色々な作品を一つの空間に飾る方法なども、とても参考になりました。
いきなりオークションはハードルが高い!もう少しアートの知識を得てから参加してみたい、という方のために、丸一日でアートライフの基礎が学べ、青山のギャラリーツアーもできちゃう講座を来年1月17日に開催します。詳細が決まりましたらブログでおしらせしますので、チェックしてみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。