こんにちは、今回はアートのお話です。最近、日本画の展覧会に行くようになりました。昨年は夏に東山魁夷の魅力に気づき、11月は出光美術館の『江戸の琳派芸術』、そして今年のアート初めは山種美術館の『横山大観ー東京画壇の精鋭ー』…うーん、わたし渋いぞ!
偶然?同い年のふたり
出光美術館と山種美術館、日本画のコレクションが多くて個性的な割に建物自体にあまり面白みがない感じ(根津美術館なんかに比べて)が似ているなーと思って調べてみると、なんとどちらも開館が1966年。2016年に50周年を迎えた老舗の美術館です。企業名でもある創業者の名前を冠するという共通点も。なんだか当時の日本の景気の良さが伝わってきます。今後、さらに50年続くことを期待します。
出光美術館
1966年開館。出光興産創業者・出光佐三が長年に亘り収集した美術品(出光コレクション)を展示。展示品の多くは日本の書画、中国・日本の陶磁器など東洋古美術が中心。丸の内の帝劇ビル9階にあり、ロビーのソファから無料のお茶を飲みながら皇居のお濠を眺められるのがウリです。
山種美術館
1966年開館。山種証券創業者・山崎種二が個人的に集めたコレクションを元にした日本初の日本画専門美術館。開館当時は日本橋兜町にあり、2009年に今の広尾に移転。1階のcafe椿では特別展の作品にちなんだ和菓子が味わえるのがウリで、作品のタイトルの横に和菓子のマークが入るほどに力を入れています。
どちらも平日の昼間に行ったので平均年齢60際オーバー(住吉調べ)で大変な賑わいでした。シニアの体力、行動力、経済力はすごいです。
今更スーパーフラット
私が日本画を面白いと思うようになったのは、2年前に友人に招待してもらった森美術館の『村上隆の五百羅漢図展』がきっかけだったように思います。村上隆は学生時代に飛ぶ鳥を落とす勢いだったので作品はいくつか見たし、インタビュー記事なんかも読んだ記憶はありますが、彼が日本画出身だとは知らなかった!村上隆を通して日本画を見ると、不思議なことに今まで見えていなかったものが見えるようになりました。
2000年当時わけもわからず見聞きしていた「スーパーフラット」がすっと腹落ちして、同時に日本画のイラストっぽいポスターっぽい感じをアートとしてどう捉えて良いものかわからなかった部分も、それこそが日本の美なのだ、と素直に認められた、という感じでしょうか。これは私にとってはとても素晴らしい体験でした。
豪華さと儚さの共存
日本の美、とか書きながら全然違った写真(つまり、村上隆の作品…)を紹介してしまった後では、何を言っても虚しいかもしれませんが…私が好きな日本画の特徴を考えてみたいと思います。まずは繊細さ。油絵では出ない透明感、墨の濃淡だけで遠近感やスピード感まで表現するところ、大胆な構図と間、季節のモチーフ、デフォルメされた理想の美。とっても上品で心が安らぎます。
もう一方で、屏風などでは金銀箔をふんだんに使っていたり、掛け軸の仕立てがとっても豪華だったりと、盛って盛って盛りまくるのも日本画の面白さです。今回観た横山大観大先生の作品では、裏金(うらきん)と言って絵を描く前の絹の裏側全体に金箔を貼って、その金が透けて背景色を作っているという仕掛けの大作があって、地味ぃ〜に豪華で驚きました。豪華さも洗練されてくるとやっぱり繊細になってくる、というのがまた味わいです。
さて、今日はせっせと日本画の良さを自分なりに考えて言葉にしてみました。インテリアコーディネーターがアートについて書くなんて専門外で恥ずかしいのですが、言語化の練習を続けている一環ですので、見当違いのことを書いていましたら、個人の意見として軽く流していただけると嬉しいです。
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