こんばんは。最初のブログ、テーマは『LED照明』です。今年から、国内の大手照明メーカーのカタログはLEDのみ掲載となりました。交換用のランプの製造はしばらく続くと思われますが、LED照明はもはやスタンダードな選択となっています。そこで、コーディネーターとしてだけでなく、ユーザーとしても知っておくべきLEDの特徴をまとめます。
LEDの長所は
- 長寿命
- 省エネ
- 調光・調色ができる
- 赤外線も紫外線もほとんど出ない
- 小さくて軽い
- 点滅に強い
LEDの長所を上げると、ざっとこのようになります。他にも、衝撃や振動に強いことや低温に強いなどもあります。良い事ばかりのようですが、気をつけるべき事もあります。
光り続けるLEDの寿命とは
LEDの寿命は、一般的に4万時間や10年間などと言われています。ここで気をつけるのは何を持って寿命が来た(=交換時期)と言うかという点です。白熱灯や蛍光灯は、ある日突然光らなくなる事で、寿命が尽きた事を知ることができます。しかしLEDは半導体のため、半永久的に光り続けます。そこで、光束が70%に落ちた時を寿命とする、とLED推進協議会が決め、そのだいたいの目安が4万時間や10年間なのです。
でも、毎日少しずつ暗くなって70%の明るさになった事を、人は知覚できません。もうひとつ付け加えるとすると、LEDの品質にはかなりのばらつきがあるので、すごく安いLEDは、この目安よりも早く、寿命が来てしまう可能性も考えられます。LED照明を買って数年経ち、暗いなと日々感じるような事があれば、買い替えを検討した方が良いかもしれません。もしくは、ランプ交換が不要だからといって、照明器具のお掃除をしていないと、ホコリのせいで暗くなってしまうので、大掃除の時には、照明器具の掃除も忘れずに行ってください。
交換は器具ごと
LEDは長寿命でコンパクトなので、今までのように器具とランプを別々につくるのでなく、一体化したものが多くつくられています。つまり、LEDが寿命を迎えたとき、器具ごと交換する必要があります。器具ごと交換となると、ものによっては電気工事が必要になってくるので、少し面倒に感じる方も多いと思います。(実際、わたしがそうです!)もしくは、器具はまだ使えるのに捨てるのはもったいない!と感じる方もいらっしゃることでしょう。しかし、長く使用した照明器具というのは、見た目はまだ使えそうでも、内部の電気が通る部分はかなり劣化しています。照明器具もテレビや冷蔵庫と同じ電化製品なので、10年程度で寿命が来てしまうのは、仕方の無い事なのです。
紫外線<可視光線<赤外線
太陽光をプリズムに当てて7色の光(虹色)に分解する実験を覚えていますか?一番波長が長い色が赤、一番短いのが紫です。赤い光よりも波長が大きいのが、赤外線と呼ばれる熱エネルギーで、紫よりも波長が短いのが紫外線で、これらは全て電磁波の一部です。省エネの観点から悪者扱いされている白熱灯は、エネルギーの30%を光に変換し、残りの70%を熱(赤外線)に変換するため、エネルギー効率が悪いのです。
一方蛍光灯は紫外線を含みます。蛍光灯に虫が寄ってくるのは、人には見えない紫外線が虫達には見えているからなのです。LEDは赤外線も紫外線もほとんど出ないので、エネルギーを効率良く光りに変換している事になります。熱くならず、虫もあまり寄って来ないのも嬉しいですね。更に紫外線が出ないという特徴は、美術館や博物館の展示品を痛めないので、とても役に立っています。
しかし、LEDの光にも注意すべき点があります、それはブルーライト。LEDは他の光源と比較して、青い波長の光を多く含みます。これが、開発当初のLEDの刺すような刺激のある明るさの原因です。今では開発が進み、特に電球色のLEDでは青い光がかなり抑えられていますが、なるべく光源が直接目に入らないような照明計画が今まで以上に大切になってくる事でしょう。建築化照明はLED時代にピッタリの照明手法と言えます。
お読みいただき、ありがとうございました。次回は調光・調色と、サーカディアンリズムについて書きます。