こんばんは。今日はいまさら聞けないLED照明 1/2の続きです。わたしは、LEDの長所を挙げろと言われたら、省エネ・長寿命・調光調色!と言います。今回はその「調光・調色」について詳しく書いていきます。(ただし、調光・調色機能は全てのLEDに付いている機能ではありません。機能が良ければその分価格も上がります。)
自然のリズムでここちよく暮らす
まずは、人と太陽の関わりについて考えたいと思います。120年前にエジソンが白熱灯を発明するまで、人は太陽と共に暮らし、照明と言えば松明やろうそくだけでした。昼間、太陽が高い位置にある時に働き、日が暮れると仕事を終えて食事をし、炎の明かりでくつろいで眠りにつきました。また太陽が上って明るくなると起きて働く、の繰り返しです。このリズムは、現代の人々が心地よく暮らす上でも、とても大切です。昼も夜も照明の下で暮らすようになった現代でも、白い光は気分がシャキっとし、オレンジ色の光は落ち着いてリラックスした気分になります。例えば寝る前にパソコンやスマートフォンのまぶしい光を浴びすぎると寝付きが悪くなる、というように、サーカディアンリズム(いわゆる体内時計)を整える上で、光は大切な役割を果たしています。
オフィスの明かり、レストランの明かり
光はその空間で過ごす人に大きな影響を与えます。オフィスがまぶしいくらいに明るく青白い光なのは、太陽が高い位置にある状態を再現し、意識を覚醒させ集中力を増すためです。レストランの少し暗めでオレンジ色の光は、人々がリラックスして食事や会話を楽しむのにぴったりの明かりです。光の色でその空間にふさわしい雰囲気を作る事ができます。
光の色を数値で表す際に色温度(単位K 読み:ケルビン)を使います。以下、主な光源とその色温度の図になります。この辺は既にたくさんわかりやすいデータがweb上に公開されているので、わかりやすいものを引用させていただきました。
シーンに応じて明かりをコントロール
レストランやオフィスのように、目的がはっきりしている空間では、照明を選ぶ際に色温度を決める事はそれほど難しくありません。では、LDKはどうでしょうか?夕食、食後の団らんだけでなく、お子さんが勉強をしたり、冬の暗い朝は照明をつけて朝食を食べる事もありますよね。それぞれのシーンで欲しい明かりが違う…そんな要望に応えてくれるのがLEDの調光・調色機能です。この機能を使えば、器具を変えずに色温度・明るさともにシーンに応じて変更できるのです!すごい!
調光・調色の方法もいくつかあり、スイッチで色温度だけを変える簡単タイプから、コントローラーやリモコンを使って、色と明るさを別々に調整するものまであります。その際重要なのは、やってはいけない組み合わせがあるという事です。何のために調光・調色するのか?それは太陽の光を再現するためです。上手に再現しないと、不快な明かりを作ってしまうのです。
またまた図を引用させていただきました。この図からもわかるように、色温度が高い明かりを暗くする(左上部分)と陰気で貧乏臭い感じになり、色温度が低い明かりをまぶしいくらいに明るくする(右下部分)とギラついて暑苦しく感じます。ですので、白い光は明るく、オレンジの光は暗めに、が鉄則です。LEDならではの調光・調色機能を上手にコントロールできると、自然のリズムにあわせたいつでも快適な空間づくりが可能になります。
お読みいただきありがとうございました。照明は奥が深いです。そのうちに各メーカーさんの調光・調色機能比較などもしたいと思います。
おまけ:照明について、こちらのプレゼンテーションではもっと深い話が聞けます。