先日、LIXILが毎年行っているミラノサローネ トレンド発表会に行ってきました。(お土産に本までいただきました!)わたしが参加するのは今年で2度目です。プロ向けのサローネ報告会はわりといろいろなところで行われていて、去年は3回参加できたのですが、今年はタイミングが合わず今回が最初(で最後)になります。サローネは毎年4月に行われているので、すでに半年以上経ってはいますが、サローネのトレンドが日本の住宅インテリアトレンドまで普及するのには時間差があり、ギリギリ間に合ったかな?と思っています。
LIXILの素晴らしい点は、トレンドを数値で見える化しているところ。説得力があります。今年はグレージュをベースに落ち着きのある優しい印象のものが増え、アクセントカラーにはマルサラレッドが登場。フォルムや素材感など、全体的に上質感や高級感が戻ってきた印象です。デジタルプリントの使い方も“こなれ”てきて、一見そうとわからないような使い方がオシャレでした。
トレンド発表会で印象的だったのは、デザイナーの活躍です。人気デザイナーはいろいろなメーカーとコラボして、たくさんの作品を発表しています。そこで、このブログでは、サローネでも大活躍の女性デザイナー二人をご紹介します。今回はパトリシア・ウルキオラさん、次回はパオラ・ナボーネさんです。
10年以上最前線で活躍し続けるスーパーウーマン
パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)は1961年スペイン生まれの54歳。マドリッドとミラノで建築を学び、現在はミラノを拠点に活動しています。若い頃からB&B、カッシーナ、カルテルなど有名家具メーカーとコラボレーション(デザイン提供)しています。
2001年に自身のスタジオを設立し、2004年のミラノサローネで、十数社から作品を発表して一気に売れっ子デザイナーになりました。2002年から現在までに手がけた作品は、40ブランド163プロダクト、空間デザインは35都市70箇所(公式WEB SITEにてカウント)と、大大大人気のデザイナーです。
デザインの特徴はコロンとしたフォルムや優しい色使いです。女性らしい感性がモダンでスタイリッシュなものが多いサローネで、目立っているはずです。
今年は、初出典のルイヴィトンとのコラボレーションが話題でした。個人的にはグラスイタリアというガラスメーカーから発表した椅子が大好きです。計算され尽くしたシンプルなフォルムと優しい色合い、脚の先端の丸さもたまりません!
身近にも、ウルキオラさんのデザインがあります。フロスから出ているTATOUという照明は、アクタスなどでも売っているので、見た事のある人も多いはず。柔ら かい曲線がエレガント過ぎず、モダンにも和にもしっくり馴染む秀逸デザインです。ちなみに、TATOUとは入れ墨のタトゥーではなく、フランス語の「アルマジロ」の意味です。アルマジロに、見えますか…?
空間デザインも見られます。今年、東京・青山にオープンしたモルテーニのショールームはウルキオラさんデザイン。根津美術館に近い立地から、和のモチーフが大胆に使われています。わたしも先日のデザイナーズウィークにあわせて行われた新作発表会で初めて訪問して、吹き抜け空間のおおらかさと、グレージュの優しい高級感にうっとりしてきました。
molteni&C tokyo
東京都港区南青山6-4-6 Almost Blue B棟 1F
TEL: 03-3400-3322
11:00〜19:00 水曜日休み
ウルキオラさん、これからもどんどん素敵なデザインを生み出し続けて欲しいと思います。
お読みいただきありがとうございました。次回はもう一人の女性デザイナーパオラ・ナボーネさんを紹介します。