こんにちは。今日は海外と日本の美意識の違いを考えながら、インテリアのセンスアップの方法をお教えします。海外、特にヨーロッパではシンメトリーであること、均整のとれたデザインが美しいとされており、格式の高いインテリアなどは必ずシンメトリーに作り込まれています。一方日本では、床の間に代表されるようにアシンメトリーで絶妙のバランスが保たれていることに、美しさ=粋を感じます。この違いが生む効果をインテリアに取り入れてみましょう。
めくるめくシンメトリーの宮殿 ベルサイユ
シンメトリーで思い出すのは、何と言ってもベルサイユ宮殿です。建物もお庭も、目がくらみそうなほどの豪華さとシンメトリーさ。あまりにもシンメトリーに整ったものを見続けると、その後少しでも均整が崩れたものをみると違和感を感じるほどです。
松本城の美しさはシンメトリー効果
日本の大きな建物はどうだろう?と考えて思いついたのは、今年の夏に行った松本城です。松本城は美しさトップ3に入る名城で、本当にかっこよかった!写真を見ていただくとわかるように、松本城はシンメトリーを意識して作られています。日本人は昔から、左右対称で末広がりでなものが大好き!そう、富士山のフォルムなのです。東西にかかわらず、シンメトリーには安定感を感じますので、伝統、権威、調和、安心のようなメッセージを発信する手段として、シンメトリーは効果的です。
床の間はアシンメトリーで粋を表現
床の間は、日本人の美意識を育んできた場所だと言っても大げさではないでしょう。残念ながら和室は減っていますが、アシンメトリーに粋を感じる美意識はしっかりと根付いています。下の写真は、左右の空間のバランス、壁の高さ、生け花のデザインと置く位置全てが絶妙なアシンメトリーで構成されています。何一つシンメトリーなものがないにもかかわらず、不思議と居心地の良い空間ですよね。余白の多さを好むのも、日本人ならではの美意識だと言えるでしょう。
フラワーアレンジメントで比べてみると
アート・デザインの分野でも東西の違いが明確です。分かりやすいのがお花の生け方。ヨーロッパのアレンジメントはフォルムをまん丸に、つまりシンメトリーにしてどこから見ても同じように美しいことが大切だとされています。一方日本の花道は、草花の個性を生かしならが間を作るように生けて、アシンメトリーに仕上げます。植物には個性があるので、シンメトリーに仕上げるには技術が必要です。一方、アシンメトリーな美しさを生み出すには、センスが重要になってきます。
センスアップの順番が見えてきた
シンメトリーから生まれる安定感と、アシンメトリーならではの抜け感の違いを、インテリアのセンスアップに応用するには…順番を守ると簡単にうまくいきます。まずは、空間全体の落ち着きを出すために、大きな家具はシンメトリーを意識してレイアウトしましょう。壁に寄せた方が残りのスペースが広くなるから、などと考えず、まずはテーブルやソファをお部屋の中心に合わせて置いてみましょう。
そして、小さなアイテムはアシンメトリーを心がけます。中心をずらすと空間に動きが出ます。さらに色やフォルムにも遊び心を加えると、さらに抜け感が生まれます。この順番を守りながら、全体のバランスを整えていくことで、一気にセンスアップできます。
いかがでしたか?シンメトリーは意識をすれば、誰にでも簡単にできると思います。そうした上で、小物はアシンメトリーを意識してみてください。アシンメトリーは我々日本人には馴染み深いものなので、少しずつ位置を変えて確認していけば、しっくりくる位置が見つかるはずです。写真の例のように大きなチェアでなくても、クッションの数や色を左右で変えてみたり、お花を中央ではなく少し寄せて置いてみたりするだけで空間に動きが生まれますので、ぜひ取り入れてみてください。
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