東京の個人向けインテリアコーディネーター | Class S interior design

実例:隠す収納とアートの力でゲストの呼べるLDKに

こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。今日も2019年の前半に手掛けた実例をご紹介いたします。「一通りの家具は揃っているけれど、なんとなく居心地が悪い」というU様からのご依頼でした。ポイントは家具レイアウトでした。レイアウトに困っている方からのお問い合わせはコンスタントにいただくので、Before→Afterがわかるように平面図も使ってプランニングの過程をご紹介します。

お部屋の使い勝手はレイアウト次第

お部屋にはそれぞれ個性があります。U様邸は広々としてぬけ感のある良い空間だったので、それを生かすレイアウトを考えました。これまではキッチンと対角線の場所にダイニングテーブルを置き、キッチン前にソファを2Pと3Pの2台置いて使ってらっしゃいました。窓が広く、テレビの置き場所に困っていて、ご主人様がテレビをみながらキッチンに立つ奥様と会話しやすいように、今の位置にしたということでした。

ご提案では、2Pソファは処分してご主人様に専用のラウンジチェア をご用意し、リビングスペースをを広く。ダイニングはキッチンの横に移動するプランを考えました。お部屋の広さを有効に活用できるレイアウトです。

残念ながらこのレイアウトではダイニングテーブルが窓から離れるため、朝食を食べる時に今より暗くなるのは好ましくないというご意見をいただき、別案を考えました。少し動線が気になりますが、明るい窓側で朝食を取り、ゆったりとソファに座ってテレビをみられ、壁面収納も使いやすいレイアウトです。

このレイアウトを気に入っていただき、テレビボードとラグを買い足すことでお部屋が生まれ変わりました。

オープン棚を隠す収納に変えるアイデア

居心地がよくないと感じる理由のもう一つは、壁面に作り付けられた大きな収納にありました。扉のないオープン棚の収納は、一見素敵そうに見えても使いこなすのが難しい上級者向けアイテムと言えます。出し入れしやすく、お気に入りの小物をちょっと飾ったりできて楽しいのですが、常に美しく保つのは大変です。

そこで、思い切って壁面収納をシェードで隠してしまうことにしました。奥様がとても気に入ってくださったピュアモリスの生地を使って、生地幅を目一杯使い、足りない部分には無地の布を合わせたオリジナルデザイン。よく見ると、2台のシェードと合わせ部分でちゃんと柄がつながっています。縫製の技が光ります!

フォーカルポイントでキッチンから視線をそらす

最後にアートを飾りました。アートを飾る場所は、お部屋に入った時に死角になるソファ上ではなく、ドアを開けて一番に目がいく壁(フォーカルポイント)にしています。そうすることで、視線がアートに一瞬釘付けになり、キッチンに意識が向かない効果も期待できます。

アートは版画作家の犬塚由美子さんの作品です。犬塚さんの版画作品は、キッチンなどにある身の回りのものを使って制作されていて、きれいな色づかいとほっこりした作風がU様邸にぴったりだと思いご提案しました。ナチュラルでシンプルなインテリアには、油絵のように重厚な作品よりも、水彩や透明感のあるアクリル画などを合わせると、軽やかになります。

額装の工夫でボリュームをコントロール

こちらのアート、実は2つの作品はサイズずがいぶん違います。額装で調整し、並べて飾って違和感のないようにしています。作家さんにお願いして、レームなしで購入させていただき、ウォルナットの無垢材のフレームに入れました。余白をたっぷりとり、さらに2つ並べることで作品が大きく見える効果を狙っています。

このように、お手持ちの家具でも工夫次第で暮らしやすやさ居心地の良さを実現することができるのが、インテリアの力ではないでしょうか。既存アイテムが多いと、コーディネートの難易度は上がるので、インテリアコーディネーターの腕の見せ所と言えるかもしれません。

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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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