2017年がスタートしました。今年は前進の年にしたいと思っていまして、ブログの進化も計画中です。インテリア好きの方が読んで、少しでも参考になる内容を目指していきますので、何卒よろしくお願いいたします。
今日は今年最初のブログということで、改めてインテリアコーディネーターとはどういう仕事なのか?を考えてみたいと思います。インテリアコーディネーターの活躍の場は幅広く、所属している組織によっても役割は異なるので、正解はありません。インテリアコーディネーターという名前の資格はありますが、建築士のように国家資格ではないので、法律で定められた定義もありません。私が「インテリアのスクールに通って勉強しました」と言うと、資格試験の勉強をしたのだと思う人が多いですが、そうではなく、図面やパースを描いたり、実際にプランニングをしてプレゼンするというようなことを学んでいました。
はじめに暮らしありき
インテリアコーディネーターについて、資格を発行しているインテリア産業協会は以下のようにまとめています。
インテリアコーディネーターは「どんな風に暮らしたいか」をヒアリングし、「こんな雰囲気の空間に住みたい」というアバウトな要望を具体的に住まい手のライフスタイルに合った住空間に導きます。
インテリアや住宅や商品に関する幅広い知識・専門的な技術などを駆使し、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースすることがインテリアコーディネーターの仕事です。
良いインテリア空間はトータルコーディネートから生まれるという点は、ファッションと同じ感覚ですんなり納得できると思います。しかし、暮らしの要望とインテリアコーディネートの関連性がピンとこない方もいるのではないでしょうか?実は、この暮らしの部分が重要で、住まい手のライフスタイルにあった住空間を実現することが、インテリアコーディネーターと、単なるセンスのいい人との違いだと言えます。
ライフスタイルにあった住空間のために、暮らしから導き出した家具レイアウトや、メンテナンスを考慮した素材を選びながら、空間全体の提案ができるのがインテリアコーディネーターです。(見出しの言葉は、日本にインテリアコーディネーターという仕事を作ったと言われる町田ひろ子校長の名言です。)
聞くだけじゃないヒアリング
インテリア産業協会のサイトでは、さらに仕事の流れも紹介されています。プランニングと商品セレクトを分けているあたりがニクイです。
- ヒアリング
- プランニング
- 商品セレクト
- プレゼンテーション
- お見積もり
- 契約
- 商品・素材の発注
- 納品
- アフターフォロー
どの工程も大切ですが、一番重要なのは最初のヒアリングでしょうか。ここで、どれだけ「モノ」ではなく「コト(暮らし)」についてお話を聞けるかというのが重要なのですが、これがとても難しい。インテリアが好きな方だと、共通言語が多くてついつい「モノ」トークになりがちですし、反対にあまり興味のない方の場合、プレゼン前にある程度の情報を伝えて反応を確かめたいと思って「モノ」の説明に終始してしまうケースもあります。
「コト」の話を聞くのに効果があるのは、今のお住まいを拝見しながらお話をお伺いする方法だと私は思っています。百聞は一見にしかずと言われるように、今のお住まいを見せていただければ、掃除の好き嫌いやものの量、好みのテイストなど、暮らしの要望はおのずと見えてきます。
醍醐味はカラースキーム
インテリアコーディネーターの仕事で一番「っぽい」のはカラースキーム(色彩計画)だと思います。色の組み合わせでイメージを作っていくには、知識とセンスが必要です。たまに「自分と好みの違うお客様だと、コーディネートが難しいでしょう?」と質問されることがありますが、これは全くの誤解です。もちろん普段からやり慣れているスタイルなどがある場合もありますが、お客様のイメージをどれだけ形にできるかがやりがいの一つなので、自分の好みは全く関係ありません。
建物と切り離して考えない
インテリアコーディネーターは、建物が建ってしまったあとや、模様替えでも依頼を受けられます。でも、そうすると床・壁・天井などのベースカラーは変えられなかったり、カーテンのスタイルを変えるために工事が必要だったりと、制限や二度手間が発生してしまいます。私が仕事をしている会社では、注文住宅の間取りが決まる前からインテリアコーディネーターが打合せに同席し、建築士と二人三脚で無駄のないインテリア提案ができているので、助かっています。
一番切り離せないのが照明計画。以前ブログでご紹介した建築化照明(間接照明)や、ペンダントライトの位置決めなどはインテリアコーディネーターがご提案することで、より良い計画になることも。フリーランスのインテリアコーディネーターに依頼する場合も、できるだけ計画の初期段階から入ってもらうことをおすすめします。
建物とインテリアを分けて考えているのは、我々専門家の側であることも。しかし、偉大な建築家は自分の設計した建物に置く家具も一緒にデザインしたように、本来はトータルで完成系をイメージしながら作っていくことが重要だと思います。
一人ではできない仕事
インテリアコーディネーターとしての仕事は、多くの方との協働が必要になります。コーディネーターはあくまでプロデューサーなので、内装工事や電気工事、カーテンの縫製・取り付け、家具の納品などそれぞれの専門分野の方々の力があって初めてお客様の希望の空間を作ることができます。専門家の立場で助言をしてくれたり、現場で起こる想定外のことにも柔軟に対処してくれるみなさんに、本当にいつも感謝です。
いかがでしたか?インテリアコーディネーターの仕事について、ざっとまとめてみた所、自分で書きながら「ああ、そうだった」と思うようなこともあり、新年早々発見がありました。今年の目標は冒頭にも書いたように『進』です。前進、進化、精進、立ち止まらずに進みながら考えるくらいのスピード感で駆け抜けたいと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。