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カーテンは何のため?<機能編>

こんばんは。今日から連載でカーテン(窓装飾全般のことをここではカーテンと言っています)の役割について考えたいと思います。カーテンはお部屋の中に占める面積が大きく、色や柄を入れるならなおさらお部屋の印象を左右しますし、毎日の生活での開け閉めや、昼と夜、夏と冬など季節によって求められる機能が違うため、デザイン性と機能性の両面から最適なスタイルを検討する必要があります。さらに、素材によるメンテナンスの違い、どう納めるかなど考え出したらきりがないので、本日はまずは機能面についてまとめます。

カーテンの三大機能①「外からの視線を防ぐ」

カーテンの主要な機能とは「外からの視線を防ぐ」「光の取り入れ方をコントロールする」「熱の出入りを防ぐ」の3つが挙げられます。まずは外からの視線を防ぐ遮蔽性について。こちらに関する質問・ご要望で多いのは「レースカーテンって透けませんか?透けないものにしたいです。」というものです。レースカーテンは昼間は室内が暗いのでほとんど透けませんが、夜レースだけで照明をつけると、外の方が暗いのでお部屋が丸見えになります。タワーマンションだからといってレースカーテンだけのお部屋は、下からテレビの画面が見えたりしますよね。

だからと言って、ミラーレースのように外が暗くても透けないレースは外から見た時にギラギラとミラーのように反射しますし、デザイン面でも素敵な質感のものがないのに割高です。夜はドレープカーテンを閉めるのであれば、何となくミラーが良さそう、と思っている方はもう一度ご自身の生活スタイルとミラーレースの質感を確認することをお勧めします。

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カーテンの三大機能②「光をコントロールする」

これは遮蔽性と似ていますが、それとは別の遮光性と言われるものです。光の取り入れ方で生活の心地よさはずいぶん違います。外の天気や時間の流れを感じながら、季節や時間帯によって最適な光の取り入れ方ができると、心地よく暮らせます。

たとえば「遮光カーテンにしたいです」というご要望を掘り下げていくと、遮蔽性のことを仰っている場合もありますので、その場合特にリビングの窓には遮光●級などにはこだわらず、気に入った生地をお選びいただくようお勧めしています。なぜなら、上記ミラーカーテン同様に遮光カーテンはデザインよりも機能優先で、選択肢が限られてしまうのです。休日の昼間にシアタールームで映画を楽しむ方や、夜勤などで日中お休みになる方などは、遮光1級のカーテンでしっかりと光をシャットアウトできるものをお勧めします。

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カーテンの三大機能③「熱の出入りを防ぐ」

機能面で忘れてはならないのが遮熱性です。お部屋の断熱性を高めるために床壁天井に断熱材を入れたとしても、まだ不十分。開口部(=窓、ドア)の熱の出入りまでしっかり防いで、ようやく完成です。窓については、複層ガラスや樹脂サッシ、リフォームにピッタリな二重窓など、高性能のものがどんどん開発されていますので、可能であればそれらのものを取り入れるのが一番です。が、それらが難しい場合、できるだけ厚手のカーテンを床まで隙間なくかけると、断熱性は確実に高まります。

断熱性というのは、冬だけのことではありません。夏、家に帰った時に蒸し風呂のようになっていることはありませんか?これは日中、外の熱が中に伝わっているからなのです。家を出る前にカーテンを閉めておくと、カーテンの遮熱効果で室内の気温上昇を弱められます。

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防音性や間仕切り機能も

カーテンにはまだたくさんの機能があります。布が音を吸収することで響きをコントロールする防音性や、間仕切りとしての役割も見逃せません。デザインの時に詳しく触れますが、室内装飾だけでなく、外から見た装飾性を重視する方もいらっしゃると思います。住まい手の数だけ、カーテンスタイルがあると言っても過言ではありません。

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とはいえ、今の日本の住空間では、カーテンが重要視されていないように感じます。機能面ですら、ミラーや遮光といったキーワードが一人歩きしている危険性も…まずは遮蔽性、遮光性、遮熱性について、自分の住環境やライフスタイルにあった機能を考えてみてはいかがでしょうか?立地、お部屋の階数や方位、窓の位置や高さなどでも、最適なカーテンスタイルは異なります。全てを解決できれば良いですが、優先順位をつける必要もありますので、今回の記事が参考になれば幸いです。次回は、具体的なカーテンスタイルのメリットとデメリット、最適な場所についてまとめてまいります。

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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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