こんにちは。今回は前回に引き続き、カーテンの話をしたいと思います。その前に…今年もミラノサローネが始まりましたね。家具の見本市はミラノサローネが有名ですが、ファブリック系の見本市では、フランスのMAISON&OBJET PARISやドイツのHeimtextilが有名です。先日もトレンドセミナーで2つの見本市のレポートを聞いてきました。共通するキーワードは「自然」「デジタルプリント」「手仕事」あたりでしょうか。自然と言っても、いわゆるナチュラルとは違い、鉱物や鉄の錆びなど硬質な素材感を感じるファブリックがトレンドです。ファブリック以外でも、エイジング加工やアンティーク・ヴィンテージが人気ですし、このトレンドはこれからしばらく続くことが予想されます。
では、本題のカーテンの話。窓装飾にはカーテン以外にもウッドブラインドやバーチカルブラインド、シェードなどたくさんの種類がありますので、今回は最も馴染みのあるカーテンの代表的なスタイルを紹介いたします。
王道で万能、変幻自在のカーテン
いわゆるカーテンは、厚地とレースを組み合わせることで3大機能の遮蔽性、遮光性、遮熱性を自由にコントロールできます。操作も簡単(カーテンを”操作する”ということを意識しない場合が多いと思います)なので、出入りの多い窓にも最適。また、自分で掛け替えられるので洗濯・クリーニング等のメンテナンスも簡単です。
選ぶ生地の色や柄、質感、ヒダをどのくらいとるのか、トリムやタッセルで装飾を加えるなど、デザインを変えることでどんなインテリアにもマッチします。変幻自在のカーテンの、代表的なものをご紹介します。
装飾レールに両開きカーテンを掛ける
この写真ではインパクトのあるお花柄の生地を、シンプルに2倍ヒダで仕上げ、レールはカーテンに合わせて少しクラシカルで可愛いものを選んでいますね。カーテンはひだを多くとると豪華な印象になり、ひだを取らずにさらっと掛けるとカジュアルな印象になります。レールも装飾的なものからすっきりモダンなものまでたくさんの選択肢があるので、イメージに合わせてコーディネートできます。
バランスでボリームを出して存在感アップ
カーテンの吊り元につけて、装飾性を高めるものがバランスです。バランスの種類もたくさんあって、こちらもヒダが多い方が豪華な印象になります。写真のバランスはボックスプリーツ、柄のネイビーに合わせたシンプルなトリムを付けてキュートに仕上げています。バランスをつける場合は、天井が高く、カーテンも縦に長い仕上がりにすることで、重くなりません。
フロントレースで一日中軽やかに
レースを手前に掛けるスタイルです。日中お部屋にいることが多い方の場合、ドレープよりもレースにこだわりたい!というご要望が多いです。レースを手前に持ってくることで、夜も軽やかな雰囲気になります。この場合、ドレープは無地にしてレースの柄を引き立たせます。写真のように印象的な色を入れても、レースで中和されて優しい色合いになるので、選ぶ際は必ずレースを重ねて色を確認しましょう。
ヒダを取らない場合はハトメカーテンも○
ヒダを取らず、レールに通すだけのスタイルで、ヒダをとらなくてもドレープがキレイに出やすいです。写真のように無地でも良いですし、大柄のプリント生地なんかもぴったりです。ハトメカーテンは注意点がいくつか。まず、通常のカーテンに比べてレールの滑りが悪いので、開け閉めの時に少し引っ掛かりを感じます。そして、ヒダの山が壁に当たらないように、レールを長めに出す必要があります。その関係でハトメカーテンでドレープ・レース両方は掛けられないので、レースは機能レールにするか、次回ご紹介するシェードにすると良いでしょう。
吊り元を隠してすっきり仕上げる
モダンに仕上げたい場合は、天井を織り上げて吊り元が見えないようにするとすっきりします。カーテンボックスなどと言われます。カーテンのレール(装飾性のないもの)は、家電でいうとコンセントやケーブルのようなもの。無くせないけれどなるべく見せたくないものなので、お部屋のイメージに装飾レールやバランスが不向きだな、という場合はカーテンボックスがオススメです。
あえて裾を長く垂らす
こちらは、あえて床にカーテンを垂らすスタイルです。たっぷりとボリュームがあるのでゴージャスな印象に。日本では、カーテンの裾が汚れるのを嫌って床から1cm上がるように仕上げるのが一般的ですが、遮熱性を考えると隙間がない方が良く、床まで届いている方が効果が高まります。しかし、ドレープがキレイに出ないので、生地を選ぶときから仕上がりをイメージしておくことが大切です。くたっとした質感で、湿度によって伸縮するリネンなどがぴったりです。
腰窓にもあえて床までのカーテンを
腰より上の高さに窓がついている場合、その前にデスクやシェルフなどの家具を置かないのであれば、床までのカーテンを掛けるという方法もあります。こちらも遮熱性を高める効果もありますし、デザイン的にもカーテンは天井から床までの縦のラインが美しいので、床までがベストです。家具をおく場合も、家具の高さに合わせると良いでしょう。もしもベッドを前におく場合は、カーテンは床までにしてベッドを壁から少し離して置くことで、機能面もデザイン面もぐっと良くなります。
スタイルと呼べないものまで含まれていますが、窓とカーテンとインテリアの関係を考えながらまとめてみました。次回は、スタイル編の続きとして、シェード、ウッドブラインド、バーチカルブラインドなどのメカものについて書きたいと思います。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。