こんばんは。一生もののダイニングテーブルを探す第二回目は、価格の違いとその理由についてまとめます。ダイニングテーブルにどの位お金をかけるか?にはその方の価値観が大きく関わりますが、一生ものを手に入れたいと思った場合、単に安ければ良いわけでは(高ければ良いわけでも)ないと思います。価格の安い理由(もしくは高い理由)を知るために、素材について考えていきます。
木目が命
まずは、ダイニングテーブルの素材としてもっとも身近な木について見ていきます。木のテーブルは北欧っぽいナチュラルなもの、塗装を工夫してシャビーに仕上げたもの、銘木で重厚感を出したクラシックなもの、アイアンと組み合わせたこなれたものなど、幅広いインテリアイメージで使われます。その分、価格もいろいろ。その価格にもっとも関連があるのは簡単に言うと木目です。木目が美しいテーブルは高い、と言えます。
とはいえ、木と木目の話はとーっても奥が深く、ちゃんと説明しようとすると試験勉強みたいになってしまうので、今回はムズカシイ話は割愛させていただき、具体例でご説明いたします。
表面が美しい木目の突板
価格の安いもののほとんどは、突板(つきいた)と言われる素材を使っています。表面だけに木目のキレイな木(厚み約0.3mm)を貼っていて、内部は違う樹種の合板になっているので、小口部分の木目の出方が不自然だったり、あえて断面をそのまま見せてカジュアルな雰囲気を出したりしています。
突板の良いところは何と言っても価格が手頃な点と、他のものに比べて軽いことです。例えば、高級感のあるウォルナットが好みだけど無垢材は手が届かない、という場合に良い選択肢だと思います。しかし、表面だけが美しい木目だということは、表面が傷ついてしまうと修理は難しいと言えます。一生ものと考えるからには、傷がついても補修できたり、経年変化が味になるようなものを探したいですよね。
デザインの自由度が高い無垢材
無垢材は表面だけでなく、どこまでいっても一つの木の塊なので、質感がとても良いです。突板では出来ない小口のデザインも特徴で、削って角をとって当たりを柔らかくしたり、本来の厚みを感じさせないシャープな断面にしたり、わざと耳を残して自然な形を楽しんだりと、自由度が高いのでデザインのディティールまでこだわることができます。
また、オイル仕上げにした場合、小さな傷や汚れはヤスリで削って補修することも可能です。仕上げとメンテナンスについては、別の記事で詳しく書きたいと思います。
価格を左右するのは、1. 樹種、2. 厚み、3. はぎ数です。樹種については、一般的に手頃なのはタモやオーク(ナラ)など。木目が柔らかく着色していろいろなイメージに対応できます。木目が美しいウォルナットや、他にない赤みが特徴のチェリーなどは価格がアップします。厚みはもちろん厚い方がお値段が上がるのですが、強度やデザインの観点から、あまり選択の余地は無いように感じます。
はぎ数というのは、一つのテーブルを作るのに使われている板の数です。1枚板であれば全くツギハギが無いものなので、存在感抜群。木目の流れがとってもキレイですし、色のグラデーションも滑らか。ダイニングテーブルにできるぐらい大きく育った木が必要なので、お値段は上がります。2枚はぎ、3枚はぎも一枚板に負けない存在感です。これが5枚、7枚と増えるにしたがって、木目の分断感も出てきてしまいますが、お値段的にはお求めやすくなります。
第三の選択肢
長くキレイに使いたいし木質感も大好きだけど、無垢材ほどの価格は出せないという方には第三の選択肢をご紹介します。はじめに掲げた「木目が命」という考え方からは外れますが、無垢材の自然な風合いが好きな方や、メンテナンスしながら長く使える点を重視する方には無垢集成材がオススメです。
集成材と無垢材のはぎ数の多いものの違いは、無垢材は板の長手方向のみをはいでいるのに対して、集成材はもっと小さな木を小口側もはぎ合わせています。流れるような木目を出すことはできませんが、それをデザインにしてしまったものもあります。無垢材に比べて価格が抑えられるのも嬉しいです。
今回は一生もののダイニングテーブルを探すために、木のテーブルの素材についてご紹介しました。木は本当に奥深いので、他の機会にまた詳しく書きたいと思いますが、まずはダイ二ングテーブル選びの続きを。次回は、木以外の素材とメンテナンスについて書きたいと思います。本日もお読みいただき、ありがとうございました。