こんにちは。今日はデザイナーシリーズとして、ジョージ・ネルソンさんについてまとめます。彼はハーマンミラー社を今のような有名メーカーに育てたプロデューサー兼デザイナーであり、ジャーナリストでもある多彩な人物です。彼のデザインしたバブルランプは、今トレンドのモダンで木質感豊かなインテリアにぴったり!多様なインテリアイメージにマッチするロングライフデザインの照明だと言えます。
ジャーナリストからプロデューサーへ
ジョージ・ネルソン氏は1908年、アメリカの裕福な家の生まれです。イェール大学卒業後、ローマに渡ってジャーナリストをしていました。無名にも関わらず、すでに有名人だったコルビュジエ、ミース、フランク・ロイド・ライトなどをインタビューしたり、当時まだ若手だったジオ・ポンティの才能を発見したりと押しの強さが売りだったようです。
アメリカに戻って雑誌編集の仕事をしていたネルソンを、当時小さな家具メーカーだったハーマンミラー社の社長が口説き落として、デザインディレクターとして迎えます。その後ネルソンは、業界で初めて美しいイメージ写真とサイズが明記された有料のカタログを作ったり、ロゴを変えたりとブランドディレクションを行い、あっと言う間にハーマンミラー社を時代の最先端の家具メーカーへと変身させました。
独自の哲学と審美眼を持つ男
ネルソン自身がデザインした家具はそれほど多くありません。しかし彼は、世の中の一歩先が見えるディレクターでした。高級オフィスチェアの開発時には、シートは通常革張りだと主張したデザイナーに対し『マーケティングにだまされるな』と言ってメッシュ素材を採用し、長時間座っていても蒸れずに快適なハーマンミラー社の大ヒット商品であるアーロンチェアが誕生しました。
ネルソンは『デザイナーの仕事は、世界を変えることだ』とも言っています。常識にとらわれず、自らの審美眼を頼りに仕事をしているネルソンは、友人であるチャールズ夫妻や、イサム・ノグチ、エーロ・サーリネン、テキスタイルデザイナーのアレキサンダー・ジラードなどを外部デザイナーに迎え、世の中にない家具をたくさんプロディースし、ハーマンミラー社を世界的なメーカーへと成長させました。
バブルランプ開発秘話
冒頭で紹介したバブルランプは和紙のような柔らかな質感のシェードが特徴です。実はこのシェード、特殊なプラスチックで出来ていて、弾力があるので破けにくく耐久性も高いうえに、シンプルな構造で手作りながらコストが抑えられているんです。
このバブルランプには、有名な開発秘話があります。ある日ネルソンは、自分の事務所用の照明を買いに行きますが、シルク製で輸入品のそのランプが125ドル(今の価値で約25万円)もすることに腹を立てます。怒って帰っている時、少し前にNYタイムズの記事で見た船の修理の写真を思い出し、そこからヒントを得て、『フレームに半透明の樹脂を吹き付けて成型する照明』というアイデアを思いついたそうです。ネルソンらしさの詰まった話ですね。
バブルランプコーディネート
No.1 鉄板のミッドセンチュリー
No.2 北欧モダンの木質感とも相性○
No.3 エレガントに合わせてもOK
No.4 エクレクティックならシンメトリーで使う
No.5 最旬スタイルは多灯吊りで叶える
いかがでしたか?デザイナーとしても、ディレクターとしても、プロデューサーとしても優秀だったジョージ・ネルソン氏、とても興味深い人物でした。今日の内容は、『名作家具のひみつ』の著者ジョー・スズキ氏のセミナーを元に独自にまとめた内容です。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。