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ちょこっとスタイル研究:ミッドセンチュリー

こんばんは。今日のブログは久しぶりにスタイル研究をしたいと思います。お題は「ミッドセンチュリー」このスタイルは1940年代から70年代くらいにアメリカで流行していたモダンな建築やインテリアのスタイルを指します。日本でいうと第二次世界大戦中から戦後の高度経済成長にかけての期間。この間日本はアメリカ文化に憧れ、ものすごーく影響を受けているので、馴染みの深いスタイルと言えます。たまに、北欧モダンとごっちゃになっている人がいますね。どちらも同時代のモダンなスタイルで、色使いもカラフルなので、見分けがつきにくいかもしれません。しかし、この二つのスタイルの根底に流れるものは全く違います。その辺も含めてご紹介します。

「ミッドセンチュリー = イームズ」で間違いなし

ミッドセンチュリーについてあれこれ知っておかなくても、イームズのデザインした家具を押さえておけばOK!というくらい、このスタイルを代表するのがチャールズ・イームズです。余談ですがチャールズはバツ1で、レイさんとは再婚で結ばれています。イームズ夫妻はすごくラブラブのイメージがありますよね。チャールズはレイさんと出会って恋に落ち、前妻と離婚した翌月にはレイさんと再婚しています。そして、再婚後は飛ぶ鳥を落とす勢いで仕事が成功。レイさんのあげまんぶりは、女性として見習いたいところです。

ラブラブカップル https://casabrutus.com/

チャールズ・イームズのデザインした家具(椅子)で代表的なものをご紹介します。まずはイームズチェアとして知られるDSR(この呼び方を知っているとかなり”通”っぽいですのでぜひ!)。こちらはFRPという繊維を入れて強化したプラスチックを使用し、人間の体に合わせた背と座一体成型の3D形状が特徴です。当たり前ですが、アメリカもミッドセンチュリー以前はヨーロッパの影響を受けた家具が主流でした。そこに、第二次世界大戦で技術開発が進んだプラスチックや金属成型、成型合板などを家具に応用したイームズのデザインは、人々を大いに驚かせたことでしょう。

イームズチェアの名で親しまれているDSR http://vanilla-kagu.com/

続いてはセレブ感たっぷりのラウンジチェア&オットマン。リビングや書斎に置きたい!と憧れている人も多いのでは?はい、私は憧れています。こちらは木の部分が成型合板、足はアルミダイキャストの5本脚で5本脚椅子の先駆けです。また、クッションは羽毛でレザー張りの高級仕様で、あまりの気持ち良さに座っている人が寝てしまうと言われています。

今はやりのツートーンデザインがすでにここに https://shop.livingmotif.com/

ミッドセンチュリーのデザイナーについては、ジョージ・ネルソンさんについて書いたハーマンミラーをプロデュースした男にも書いていますので、合わせて読み返してみてください。

インテリアもイームズ夫妻がお手本

ミッドセンチュリーの時代は大量生産、大量消費の時代です。インテリアのトレンドも次々に移り変わり、なんでもありで堅苦しいルールはありません。ですので、ミッドセンチュリーとはどういうスタイルなのか?が難しいとも言えます。もちろん、調和が取れていればミッドセンチュリーであろうと無かろうと問題ないのですが、それだと研究にならないので、イームズ夫妻の自邸「ケーススタディハウス#8」をお手本に考えてみたいと思います。

その前に、ケーススタディハウスって?という方のために簡単に説明をしておきます。ケーススタディハウスとは、1945年から1966年(ちょうどミッドチェンチュリーな頃)アメリカのロサンゼルス付近に建てられた実験的住宅群です。雑誌『アーツ・アンド・アーキテクチュア』がスポンサーとなり、当時の有名建築家に依頼し、全部で20以上を建築。今も人気中古住宅として売買され、誰かが住んでいる家もあります。日本人の感覚だと、新興住宅地にデザイナー住宅が並んでいるのをイメージしてしまいがちですが、そこはロスですので、こんな感じです。想像以上すぎる…

#21 ピエール・コーニッグ設計 ベイリー邸 http://www.archdaily.com/
#22 ピエール・コーニッグ設計 スタール邸 http://www.atwillpubs.com/

さていよいよ、イームズ自邸の#8です。こちらは芝生と木に囲まれたオーガニックな雰囲気の強い場所ですね。外観のグリッドのデザインとビビッドカラーがモンドリアンっぽい。

http://www.midcenturymoderngroovy.com/

内部は空間がつながる開放的な間取りのようですね。吹き抜けのリビングは壁面収納の本棚の他は家具やラグで自由にレイアウトできるようになっています。奥のスペースのソファも作り付けでしょうか。この辺は以前レポートしたフィン・ユール邸と共通点が多いですね。同世代を生きた二人が同じような家を設計したというのは面白いです。

http://insideinside.org/
http://melbourneblogger.blogspot.jp/

それにしてもイームズ邸、想像していたようなカラフルPOPなミッドセンチュリーではないよーな?しかし、よく見るとオレンジとスカイブルーのクッションの組み合わせや、ソファにかけられたファブリックの柄などにその特徴が出ています。

ミッドセンチュリースタイルにするには、すっきりモダンな内装をベースに、デザイナー家具を取り入れて、ファブリックにオレンジやスカイブルー、グリーンなどのビタミンカラーを取り入れると良いでしょう。ミッドセンチュリーは新素材を家具に取り入れるという斬新さが一番の特徴です。家具に木質感を出しすぎないことで、北欧モダンと差別化できます。木質感をプラスしたければ、壁がおすすめ。素材感でアクセントをつけると上質感が増します。モダンなフォルム、オーガニックなカラー、新素材の組み合わせこそがミッドセンチュリースタイルです。

今回ブログのためにミッドセンチュリースタイルを調べていく中で、モダンスタイルの共通点や違いがよくわかりました。みなさんの役に立てれば幸いです。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。
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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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