こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。前回、前々回に引き続き、バンコクの『サイアムケンピンスキーホテル』のレポートです。今回はゲストルームをご紹介します。
デラックスツインで大満足!
私が泊まったお部屋はデラックスツインです。ホテルを選ぶ際、実際に宿泊するお部屋のインテリアが素敵かどうかも、かなり調べました。
ホテルによっては、スイートルームは立派だけどよーく調べると普通のお部屋は信じられないくらいに質素、というところもありました。そういうハリボテホテルってサービスもちょっと心配…。その点サイアムケンピンスキーホテルは、ゲストルームのランクに関わらず同じコンセプトでインテリアがデザインされている点も決め手になりました。
リラックスできる非日常感
重厚感のある扉を開けると、シンプルながらも抜け感があって気持ち良い室内。思わず『ただいま』と言いたくなるような、リラックス空間です。ホテルは旅の疲れを癒す場所でもあるので、ワクワクしながらもリラックスできるって最高です!
※スマホのカメラでは空間全体が映らなかったので、以下、部分の写真ばかりですが、なんとなくのレイアウトをこの写真から想像していただければ幸いです。
パブリックスペースに比べると、ゲストルームはお部屋全体がモダンで落ち着いたインテリアです。モダンになり過ぎないように、壁全体には綿入りのファブリックパネルを使って、柔らかくリラックスできる雰囲気を作っています。また、ハスの花の写真や提灯を連想させるスタンドライトがオリエンタルな雰囲気をさりげなく添えています。
色数も抑えられています。クッションはアクセントカラーを用いず、家具と同じウェンゲ色。黒ではないところがポイント!
ラウンジチェアの前にはウェルカムフルーツがありました。手前にちょっと映っているのは書斎デスクの端です。ラウンジチェアと書斎デスクの脚が個性的な共通のデザインで、空間にアクセントを加えています。
フラワーではなく、フルーツで色を入れるテクニック!南国ならではの遊び心ですね〜(私はカトラリーを無視して、バナナを手でむいていただきました)
すでにお気づきかと思いますが、お部屋の照明はスタンドライト以外は全て建築化照明です。光源が目に入らないので眩しくなく、リラックスできます。このミラーと照明の納まり、シビアですね〜。LEDだからこそ可能なデザインです。
ミラーはお部屋を広く見せる効果があります。さらにガラス天板のデスクも圧迫感がないので、コンパクトなお部屋でも快適に過ごせました。
レースカーテンもグレージュの落ち着いた色とモダンな織りで素敵でした!お部屋は2階で、中庭に面しているのでプールと植栽が室内からでも楽しめますし、小さいバルコニーも付いています!
バスルームはドキドキ感たっぷり
入り口横のパウダールームはガラス張り!になっていて、バスタブが鎮座しています。右にはシャワールーム(タオルのかかっているドアの向こう)もありました。
オシャレ水栓ももちろん付いています。ゴージャスなバスルームは『いいホテルに泊まった感』をすごーく刺激しますよね。だって、水周りって自分の家だとついついメンテナンスしやすく…ってなっちゃって、なかなかデザインを優先しづらいですよね。誰かが掃除をしてくれる、という非日常感がたまりません。
ガラスの向こうは民族的なアートが見えています。このアート、ちょっとお部屋の雰囲気とは色もモチーフもかけ離れているように見えますが、遊び心を感じます。
バスルームはもちろん目隠しが付いています。ロールスクリーンではなく、プリーツスクリーンでした!おそらく東洋を意識したチョイスですね。納まりもきれいでした。
化粧台もこの通りゴージャスなデザイン!これもホテルの醍醐味ですよね〜。石とガラスと照明のバランスで、重いけれどモダンさもあり、十分すぎるほどに非日常的な空間でした。
狭い空間なので、トイレや室内につながるドアは全面ミラー貼りになっていました。建具にミラー貼ると重くなるし、そもそもミラーってすごく高いし、掃除も大変だし、と、ドキドキせずにはいられない!これを自宅でやるのは、かなり大変ですよ。
職人技は細部に宿る
まず凄かったのは、トイレの幅木。床は石貼りで壁はクロス(布クロスのようでした)、幅木は床に合わせた石になっていました。なのですが、幅木が壁より出っ張ってないように見えませんか?
そうなんです。これ、幅木の厚み分壁をふかして凹凸を無くしているのです。モダンさを強調するためなのか、幅木の上に埃が溜まるのが嫌だったのか、それとも他の理由があるのかもしれませんが、職人技の光る処理であることは間違いありません。
続いてこれはベッドヘッドの壁のアップです。こちらも綿入りのファブリックパネルとアートの面が揃っていて(どちらかが出っ張っていない)フラットでモダンな印象です。小口が見えないので美しい!
続いてこれ!天井の折り上げ部分をよーく見てください。ちょっとした隙間があるのがお分かりでしょうか。これは目透かしの応用だと思われます。
天井の一番高い部分だけ、他の天井と色が違っています。つまり、クロスを貼り分けているのです。入隅(奥まった角)での貼り分けは施工もしやすく剥がれるリスクも低いので通常OKとされていますが、この天井はそうせず、わざわざそれぞれを飲み込ませるという手間のかかる方法で美しく仕上げているのです。
天井にここまで手のかかる処理をする理由って…?おそらく、コーブ照明が当たる天井は、通常よりも仕上げの精度が要求されるので、細部にとことんこだわったのだと思います。すごい、凄すぎます。この隙間、いつまでも眺めてしまう。
ちなみに、写真にはエアコンの吹き出し口が写っていますが、これはベッドに乗って手を伸ばして撮った写真なので、普通にしていれば気にならない場所に付いている事をお断りしておきます。
こちらは家具に付いている隠しコンセントです。生活に必要だけど見せたくないものを隠すだけで、空間がすっきりしますよね。ホテルに着いて、とりあえずあちこち開けてみるのも宝物探しみたいで楽しい時間です。
一番ワクワクするのはミニバー!ミニバーはホテルのおもてなしが気軽な形で表現されている場所。我々が早速ビールをいただいた事は言うまでもありません。
サイアムケンピンスキーホテルのゲストルーム内、いかがでしたか?シンプルながらも細部までこだわりの行き届いた空間で、旅の気分を盛り上げ、疲れを癒し、非日常を感じさせてくれるスペシャルな体験ができました。本当に楽しかった〜!
次回は、今バンコクで注目度ナンバーワンの5つ星ホテル『The Siam』をご紹介します。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。