東京の個人向けインテリアコーディネーター | Class S interior design

バンコク五つ星ホテルレポート②

こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。前回に引き続き、バンコクで宿泊した『サイアムケンピンスキーホテル』のレポートです。今回は共用部分のインテリアです。オリエンタル、モダン、クラシックのMIXスタイルは、バンコクを代表するホテルらしさに溢れていました。

エントランスロビーはロイヤル感たっぷり

まずは前回のブログにも載せたエントランスのフラワーアレンジです。このアレンジが、エントランスを入ると左右にシンメトリーに置かれています。ラグのパープルとオリエンタルな柄、あじさいのバイオレット、みずみずしいグリーン、南国らしいレッド、そして10mはありそうな天井。圧巻です。

左奥にフロントがあります。フロントの後ろは天然の石を使ったゴールドの光壁。写真ではうまく写っていませんが、かなりゴージャスな質感でした。

ロビーのソファもタイのロイヤルカラーであるパープル。貼り地はトレンドのベルベットでクラシックな印象ですが、グレーのクッションを合わせてモダンに仕上がっています。

お花もシンプルに1種類だけを投げ入れています。どの要素をとってもオリエンタル、モダン、クラシックをMIXしてある計算し尽くされた空間です。

旅行は基本的にフリープランでしたが、空港からホテルまでは日本語の話せるガイドのおじさんが連れてきてくれました。カタコト同士ですが移動の車の中で意気投合して、とても親切にしてもらいました。

ホテルのアップグレードをお願いしてくれたり(と、私は信じている)ナイトマーケットまでの行き方を丁寧に教えてくれたり(はじめ、オプショナルツアーで案内して欲しいとお願いしたら、なんだかんだと理由をつけて断ってくるので、じゃあ自分達だけで行けるところ教えて!となった)、言葉がスムーズに通じない分、伝えたいことをダイレクトに伝え合えた気がします。おじさん、ありがとう!

アートは必須アイテム

ホテルは廊下が長く、アートを適度に配置してフォーカルポイントを作る手法が定番です。そのアートのセレクトやディスプレイも非常に参考になりました。アートは全体的にモダンを意識したものでした。

まずは、この絶妙のバランスをみてください。長い廊下に細長いアート…なのですが、下に置かれたコンソールテーブルの方が幅が短い。通常は安定感を出すために、下の家具の75%程度に幅を抑えるものですが、これはこれで、バランスよく収まっています。

同じパターンのスタイリングがいくつかありました。クラシックなスタイルであればコンソールテーブルには左右対称にフロアランプを置くのですが、あえてアシンメトリーな配置、しかも民族的なオブジェを組み合わせています。こんなすごいアートスタイリングをさらっと廊下においちゃうなんて、凄すぎる!!!

こちらは廊下の突き当たりにあるオブジェです。スタイリングとしては、上をみた後ではちょっと普通すぎですが、これならすぐに真似できそうですよね。見ていただきたいのは天井の間接照明とオブジェに当てられたグレアレスダウンライトのバランス。良いです。

これは、中庭に繋がる空間にあるアートです。左右対称なレイアウトはクラシック、照明器具のデザインがオリエンタル。それにしてもあまり人が通らない空間も隅々までアートが飾られていることには驚きを隠せません。

右のアートをアップにしたもの。タイと言えば仏教、仏教と言えば蓮。そのハスをモチーフにしたモダンなアートをマットなゴールドのフレームに入れているのも素敵です。黒いフレームだとモダンになりすぎる、という意図だと思います。

モダンなものとアンティークの組み合わせは、アートライフスタイリストの勉強中にしょっちゅう言われたスタイリングです。言葉で言うのは簡単ですが、一緒に置いてバランスよく仕上がるには訓練が必要で、そもそも一緒に置いた時のその空間のテーマは何?と言う部分がなかなか難しいのですが、こういった良いお手本をたくさん見ることで、少しずつ上達していくといいな、と思います。

都会の真ん中でリラックスできる中庭

前回、サイアムケンピンスキーの立地はバンコクの中心部でとても便利だと書きました。ホテルは低層の建物なので、上の階にあるジムから下を外を見るとこんな感じです。視線の先にはタワーが立ち並んでいます!

しかし、中庭に出ると建物に囲まれていて木々が生い茂り、ここが都会の真ん中であることを忘れさせてくれます。

プールサイドのタオルは爽やかなカラーが良いですよね!ベンチやパラソルが真っ白じゃないのは、ここがリゾートではなくあくまでアーバンな雰囲気を出すためだと想像します。

お庭には東屋…ではなくバーがあって、プールとグリーン眺めながらお酒などを飲めます。グレーの石でできたカウンタートップやハイスツール+クッションと、床などのベージュの組み合わせがリラックス感たっぷりです。

カフェテーブルの脚のオリエンタルなモチーフが、お庭の南国グリーンとさりげなくマッチしていて、自分が今バンコクにいることを常に楽しめるようになっています。

ロビーとお庭の繋がり。家具はクラシックなフォルムですが、ソファの後ろのフラワーアレンジがモダンで、絶妙なバランスです。

私はホテルのプールには入らない派(プールって入っても何していいかわからなくないですか?クロールするわけにいかないし…)ですが、夫は絶対入る派なので、この時もしっかり入って満喫していました。私はプールサイドでのんびり。ちょっと曇っているので気持ち良さが伝わりにくい写真ですが、なにせ暑いので!水際はとても気持ち良いスペースです。

中庭は夜になると表情が変わります

中庭は夜になると表情が変わります。ライトアップによりシンメトリーが強調され、格式が高いお庭に変身。

ですが、遊び心も忘れません。丸い大小のオブフェをシンメトリーから少しずらして置くことで、楽しいリズムが生まれています。

中庭の暗さと奥のタワーの明るさのコントラストも優雅な気持ちにさせてくれます。あくまで外野が目障りにならないように背の高い木々で守ってくれているのが嬉しい。

統一感を出し過ぎず、空間を楽しませる

ホテルのような巨大な空間の場合、全ての空間を均一なイメージにするとそれは統一感ではなく退屈な空間になってしまいます。サイアムケンピンスキーの場合、エントランスはオリエンタルでクラシック強め、移動空間やゲストルームはモダンが強く、中庭や中2階のコンベンションスペースはナチュラルな雰囲気も演出されていました。

中2階のフラワーアレンジメントは鉢植え。グリーンと、ピンクのお花が優しい組み合わせです、が!お花もグリーンもそれぞれに個性的なフォルムでモダンさも忘れません。

サイアムケンピンスキーホテルの共用部分、楽しんでいただけましたでしょうか。写真、多過ぎましたかね…。実際に滞在している時はすごい!楽しい!素敵!で精一杯(?)でしたが、写真をゆっくり見ていると、細部まで計算し尽くされた素晴らしいインテリアデザインに圧倒されてしまいました。

ホテルレポートの次回はゲストルーム内です。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を気に入っていただけましたら、ワンクリックで応援お願いします。
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住吉さやか:インテリアコーディネーター、アートライフスタイリスト、Class S interior design 中の人。インテリアやアートについて普段の生活で感じたことや気付いたことや、インテリアコーディネート、メディア露出、セミナー講師など仕事について書いています。

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